2007-03-31

悪戦苦闘  NO 1821


  いつもの銭湯の最終客に。中に入ったらえらく賑やかでワイワイガヤガヤ。よく見るといつもお世話になっていた整骨院の若い先生方が4人。何処かで宴会でも してきたようでご機嫌なイメージ、「この頃ご来院されませんね?」「調子はどうですか?」「また来てください。お待ちしていますから」と湯船の中で挨拶を された。

「これから家へ帰るの」と聞くと「終電車がありません。みんな寮で寝ます。お先に、おやすみなさい」と帰って行った。

 今日は、込み入って難しい吹き込みを担当、本社の1階や2階で様々な音響機器を接続してナレーションを吹き込むが、どうも納得に至るバランスが出ない。

 バックに選択した曲はオリジナルCD「慈曲」6番だが、微調整の部分で微妙な問題が秘められているみたい。テストを何度も繰り返し「本番バージョンで行ってみるか」とスタートしたら選挙カーからウグイス嬢の絶叫が聞こえて中止を余儀なくされる。

 今日から始まった地方選だが、我が生野区の市会議員選挙は定数5名に10名が立候補され、市内で最も激戦区と注目をされているようで、それだけに選挙カーから伝わるイメージも過去とは異なる激しさを感じている。

 考えてみれば、選挙カーの来ない時間帯に本番録音をしなければならない。そこで明日に細かい調整を試みてから吹き込むことにした。

  そんな作業中に地方の派遣司会者の方から電話が。「文化ホールで5000名程度の会葬者が予定されています。それも、通夜は地元の葬儀社さんのホールで行 われることになり、そこは200名も入らないスペースなんです。ちょっと悩んでいることは、文化ホールの舞台上でお柩を開けてお別れの際のこと。会葬者席 から丸見えという状況でどうしたら?」

 お別れルームを設ける考え方もあるし、緞帳を下ろす進め方もあるだろう。故人は政界人だそうだが、この選挙の期間にこれだけの規模の葬儀を行われるには問題があるだろう。

 ご遺族をはじめとする関係者の皆さんには抵抗感が生じるが、密葬を経て、日を改めて本葬儀というのがよかったのではと思った次第。アドバイスを求めて来られたご本人も同じ考え方であった。

  葬儀というものは、時に誰も予想もしなかった進め方で行われてしまうことも少なくない。客観的な立場で納得を生む説得力のあるアドバイスをしてくれるプロ の存在は稀少で、終わってから後悔するだけではなく、参列者から笑いの種となってしまった気の毒なケースもあり、それこそ二重の悲しみという被害に遭遇さ れるのである。

 これまでに、そんな会議に何十回と招かれてプロデュースを担当してきたが、私を指名くださった方が「日本を代表するプロ です」と紹介をされたケースでは結論に至る時間が早く、それらがなくて「ゼロ」からスタートし、飛び出てくる様々な疑問や質問を明確に解決していくと<普 通じゃない!>という空気が生じ、少しの時間消費も仕方なく、そこから徐々に進行と結論にスピードアップが伴ってくるものだ。

 全ての打 ち合わせが終わり、そこでキャスティングに入り「私が司会を担当します」と言うと驚かれることが多く、「プロデュースと司会の両方を!」と信じられないよ うな表情を見せられるのが面白く、本番が終わって「いやあ、びっくりです。有り難うございました」という頃になると、私がこの世界では別格のプロであった ことをご認識くださっており、その後、そこにおられた方の紹介でどこかの社葬やお別れの会などの仕事を依頼されると、「すべて任せます」ということにな り、そんなところで「体感に勝るものなし」という格言を認識するのである。

久世栄三郎の独り言(携帯版)
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