2007-03-04

今日も合掌  NO 1795


 我が家のピアノの上に1枚の家族写真がある。もう30年も前に自宅で撮影されたものだが、お雛さんをバックに写真屋さんが出張撮影してくれたものだ。

 髪の毛もフサフサ、白髪なんて見当たらない若さ、それが孫が可愛いという年代になり、その写真の横に孫達の写真を並べるようになっっている。

 その写真の前に悪猫がゴロンと寝ている。コタツの中で温まり過ぎたらここへ跳び上がって横になるのだが、欠伸をしたりする際に覆いを引っ掛け、立て掛けてあるものをひっくり返してくれるので始末が大変で困っている。

 さて、一昨日の号で私のカッターシャツを担当くださった人のことに触れたが、昨日、私の洋服の寸法直しをいつもお願いしていたご主人がご逝去された。

 故郷が私の妻と同じところで、随分とご無理をお願いしてきた歴史もあり、若かりし頃の面影をお偲び申し上げながら手を合わせた。

 ちょっと恥ずかしい思い出だが、フェリーの船内で発生したハプニングを紹介しよう。

 出張の帰路、現在は新門司港からとなっている大洋フェリーを当時の苅田港から利用したのだが、その日は荒れ模様で1万トンクラスの船が周防灘から伊予灘付近で大きく揺れ出していた。

 通路にある扉が揺れに合わせて開閉したりする危険があるのだが、部屋から廊下へ出ようとした時に急に大きな揺れ、バランスを崩したところへドアが猛烈な速さで身体に向かって迫ってきた。

<危ない!>と咄嗟に衝突を避けられたのでよかったのだが、その瞬間にドアの取っ手の部分がズボンの横付近に接触、運悪く財布による膨らみで空域になっていた部分に突き刺さってしまったのである。

 冬のスーツなら考えられないことだが、夏用の薄い生地のもの。見事に亀裂が入ってしまって着替えなければならない状態になった。

 新調してから着用したのは2回目という勿体ない出来事。帰宅してから箱に入っていた余り生地を持参してお願いしたら、見事に修復くださったのがご主人で、その技術は誰からも高い評価を受けておられた。

  白いダブルカフスのカッターシャツを年中身に着ける私の仕事。そんなところから礼服の内側の脇のところがすぐに傷んでしまうことが多く、何着もご主人に修 復をお願いしたこともあったが、ある時「さすがに厳選された生地の礼服ですね!」と仰られたことに「私の制服ですから」と申し上げたことを懐かしく思い出 している。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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