2002-04-03

安 全 運 転

葬儀の司会者セミナーの講師を担当していた時、質疑応答の時間に「プロという哲学は何でしょう?」と質問されたことがあった。

<ハプニングをハプニングでないように解決出来るパワー>
<風邪をひかないこと。風邪に冒されても寝ないで治癒できること>
<それだけ喉と声を大切に考えること>
<徹底したシナリオ構成で臨み、反省はするが後悔をしないという信念を持すること>

そんな「いいかっこ」で答えてしまったが、要するに「余裕」を持つことが重要であることを伝えたかったのである。
 
「案ずるより生むが易し」という言葉があるが、これを誤解されておられる方々が多いようだ。本番まで最悪の場合のシナリオまで予測した結果に使える言葉なのに、何もしないでこの言葉に期待を寄せている姿を見ることが多いからだ。

 とは言っても、私も後悔することばかり。まだまだプロの域に達していないと反省をしているが、この仕事に従事して、絶対にこれだけは後悔のないように意識していることがある。それは車の運転で、事故を起こさないようにつとめていること。

交通事故による被害者の葬儀の光景を何度体験したことか。運転免許更新の際に講義を受けたり、ビデオ映像を見せていただく時も、どうして悲惨な葬儀の光景を見せないのだろうかと疑問を抱いている。その方が交通事故の減少に絶対的効果があると信じている。
 
プ ロとしての誇りの中に、飲酒運転は絶対にしないという姿勢もある。業界の集まりやゴルフコンペに際しても、運転する以上は絶対にアルコールを口にしないこ とを誓っているし、弊社が加盟する日本トータライフ協会の会議、研修会後の懇親会にあっても、車の人は酒を飲むな。もし飲んで帰ることがあったら除名にす ると、厳しい言葉から始められている。 
 
過去に、「ちょっとぐらい」「乾杯ぐらい」とグラスに手を掛けた人物がいたが、「あなたはプロとしては認めない」と、叱責したこともあった。

こんな偉そうなことをしたためる裏側には、実は「酒に弱い」という事実がある。ビールの中ビンが限界であり、お酒の好きな方達からは叱られるかも知れない。
 
人 には、様々な終焉の姿がある。病、老衰、事故、自殺など、それぞれの葬儀が行われているが、自殺が交通事故死亡者数を超えている事実には驚愕している。い ずれ、この「独り言」でも自殺について取り上げることになるだろうが、今後にますます多くなると予測される専門家の分析に危惧を抱いている。
 
暗い話ばかりで恐縮ですが、結びは、講演でご一緒させていただいた時に伺った、ある宗教者のお言葉を表記申し上げます。

<20世紀は暗黒の時代。人間とは本当に愚かな生き物。20世紀に戦争で亡くなった人が1億6000万人。戦争以外の政治的理由で虐殺された人が1億7000万人。毎日発生している交通事故死、殺人事件などの被害者数を考えてみれば、身の毛のよだつ思いがする>

今も世界の何処かで戦争が行なわれている。被害者はいつも弱者ばかり。宗教の異なりで戦う愚かさ。いつになったら人間社会の「朝」が訪れてくれるのだろうか。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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