2003-11-15

優雅なひととき    NO 606

午後3時から行われたご法要、広くて立派なご本堂に多くのお寺様がご出席、厳粛な儀式空間を感じるひとときとなった。

 先代ご住職の43回忌に併せ、ご内室の13回忌。急遽、進行係を担当することになり緊張した。

 ご導師を務められたのは東京のお寺様、ご読経はもとより失礼な表現で恐縮だが「散華」のお姿が美しく、感動の世界。

 お寺に設営された音響システムを使用させていただいたが、司会をするなら音響を自社で準備するべきだったと反省する。

 会場が変わり、ホテルで「御斎」が行われたが、オープニングは「三帰依」から始まる仏教讃歌。出席された檀家の方々がご唱和される姿を見て、このお寺様の檀家さんとのコミュニケーションの素晴らしさを改めて知った。

 さて、献杯から始まったお食事だが、両隣にお座りになったのはお寺様。これで、またまた緊張するが、やがて流れ出した生演奏、それは本当に素晴らしい音楽であった。

 昨日に表記したように、奏者は「慈曲」の作曲者。シンセサイザーを携行されていたが、ホテル側が用意してくれたローランドの電子ピアノで演奏されることになり、いつもと異なる世界に聞き惚れる。

 進行係として、僭越なことだが曲の解説や彼女の紹介を担当する。そんな中、真向かいのお席におられた栃木県のお寺様から「慈曲」のCDを是非と懇願され、2枚をプレゼントさせていただくことになった。

 伺ってみると、1枚はご住職ご自身が、もう1枚は、ご住職が関係される図書館に収蔵されるとのこと。それで彼女と私は恐縮の極み。

  テーブルでしばらく「慈曲」が話題となった。法要でのご導師が私の臨席。過去にプレゼント申し上げた「慈曲」のCDを、ご法要や葬儀の際にご活用くださっ ておられるそう。また、就寝される前に聴くと心地よく眠りに入られる不思議な音楽だとご評価いただき、またまた合掌の思い。

 彼女の演奏は、体感された人にしかご理解いただけないだろうが、本当に不思議なタッチ。醸し出される音楽に誰もが自然に引きずり込まれ、ゆったりとした上質な時間が流れる。

 彼女が天性のように生かされるレクイエムの世界。短いフレーズだが実験的に数曲をご体感いただいたが、どうやら皆様がご納得をされたようでホッとする。

 ふと時計を見ると結びのお時間。窓から見える夜景が雨に煙ってほのかに感じる。そこには、冬を間近に感じる秋の風情が漂っていた。

 ・・・・・・・・・・・・・合掌
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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