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2004-12-01

はじまりのとき  NO 992


 季節の移ろいに様々な花との出合いがある。道端に咲く可憐な花に命の尊さを覚えるような人生でありたいと願っているが、人は、齢を重ねると庭弄りや盆栽に心を和ませる時間を過ごすことが多くなる。

 「育て来たりし庭の花、思いあるなら春を迎えよ」なんて、歴史上の有名人物の歌を思い浮かべながら、花の命を慈しみ諸行無常の中に生かされる自身の立場を知らされる。

 杜甫の詩に「感時花濺涙」が出てくるが、「時に感じては花にも涙を濺(そそ)ぐ」という意味のこの言葉、今日の私には、そんな思いを抱く出来事がいっぱいあった。

 本日、弊社の「ヒューマンライフギャラリー・シーン」がオープンの運びとなった。

 「隠れ家」に入って仕事をしていると、朝から2階でガンガン音がする。プロ達による舞台設営が始まっているからだが、いつもなら騒音となる音。それが心地良い響きに感じるから不思議。

 環境空間は人の心に変化を生じさせるもの。これまでに培ってきたそんな「神変」パワーが、私のこれからの仕事に重要な役割となってくる。

 多くの方々が次々にご来社、お花をいっぱい届けてくださる。それぞれの方がそれぞれの思いを託されお考えくださった花々。中には先に玄関の空間を確認されてから色合いをお決めくださった方もあった。

 「これ、お祝いね」とご持参いただく慶資。「ちょっと早いけど、独り言の1000号記念も併せてね」とのお言葉も多くあり、<えっ、この方も!>と、予想外の方がご笑覧されていた事実に手を合わす。

 私や日本トータライフ協会のメンバー達が「北国の女神」として憧れる女性の存在があるが、彼女が発信される「空飛ぶ水冠」のページ、コラム「迷いの窓」の本日号に弊社のことをお書きくださっていた。

 それは、すぐに逃げ出したいぐらいのストーリー。玄関のライトアップを遠慮しなければならないような重圧を感じる内容だった。

 そんな文章を拝見してこの「独り言」を打ち込む私、発信のエンターボタンに何トンもの重さを感じて押す日となり、道元禅師の『正法眼蔵』の「今の一当は過去の百不当の力なり。百不当一老なり」のお言葉を思い出す。

  振り返ってみれば、彼女が書かれたように、本当に「異端児」であったと思う。来年のことを言えば鬼が笑う世間。他業種よりもはるかに遅れのある葬祭業界 で、10年先のことを発言すれば狂人扱いされるのは当たり前。しかし、そんな予見がすべて現実になってきたのだから回りが騒がしくなってきた。

 今後、日本トータライフ協会の活動も忙しくなるが、若い人たちや業界以外の方々との交流も増えてきている。

  15日の講演の講師にお願いしている神戸「公詢社」さんからも、びっくりするようなプレゼントを頂戴した。生花のプロスタッフの皆さんがコーディネートく ださった立派なお花、そして吉田社長のメッセージが添えられた素晴らしい絵画。それは、いかにも社長らしい感性が滲み出るもの。

 「完成」に「感性」をいただいたスタッフ達に「歓声」が上がり、私が彼らに「喚声」を伝えた日となった。

 スタッフ共々、心から感謝の合掌を申し上げます。有り難うございました。
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