2002-05-31

失礼ですが、理念です。   NO 91

社葬のご依頼のお電話を頂戴する時、次のような二つのケースが増えてきた。

「弊社会長の社葬儀にあたり、数社の葬儀社さんへ、予算、祭壇などのデザインを含めた企画書をお願いしています。御社も是非、お願いしたいのですが」 

「社葬を行ないたいのですが、御社はどの程度の経費が必要でしょうか?」


 弊社では、上記のご依頼に対しましては、すべて鄭重にお断り申し上げ、どうぞ、ご遠慮なく他社様でとお伝えいたしております。

 このようなお電話をされてくるのは、大半が総務ご担当者。お断りをして1時間もしない内に再度のお電話をいただき、「他者をすべてキャンセルしました。是非、御社で」ということになったこともあるから世も捨てたものではない。  

 そんなケースの総務部長さんに伺ったお話だが、葬儀社に断られて腹が立ち、役員による社葬会議で報告されたら、全員が「その葬儀社にすぐに依頼しなさい」とおっしゃられたそうだ。

故人がどのようなお方であられたのか。また、招待形式か不特定多数の会葬者バージョンなのか。そして、式場はお寺様なのかホテルなのか、無宗教形式をご要望なのか、お別れ会か偲ぶ会なのかという基本的なことが把握出来ずに企画は不可能なのです。

 一方でご遺族の家族構成は、ご本人やご遺族の心残りやご要望はという把握も重要で、情報を頂戴してから社葬のプロデュースをスタートするべきであり、順番の誤りとの指摘もしたいし、上記に対応される葬儀社さんのビジネスオンリーの行動に抵抗感を抱いています。

 弊社のオリジナルプロデュースは、様々な知的財産に帰属するソフトサービスのうえに成り立ち、他社とは全く異なるレベルであるところに特徴があり、「物を買う」「家を建てる」的な発想をされるお客様の社葬は、必然としてお断りすることになります。

  これまでのホテル社葬に於きましても、最近に流行のホテル主流型要望から、会社の役員様との激論を交わし、故人が嘲笑されるということが分かっている社葬 は、プロとして絶対に担当出来ないとの思いが通じて大きく変更されることになり、結果として大変なご満足を頂戴したことが何度もございます。

 社葬の重要コンセプト、それはイベント的発想ではなく、その企業の歴史として、会社に貢献尽力された方への礼節が最重要で、社員の総意で社葬が行なわれているとの基本を忘れてはならないと考えています。

 故人は、何がお好きでしたか? 何がお嫌いでしたか? 何色を好まれましたか? ご遺族によくおっしゃっておられたお言葉は? 社員さん達に伝えたいと願っておられたことは? 花、音楽、趣味、エピソード、交友関係は?

上 記など、情報をいただきたい項目は100を超え、そこで初めて企画の一歩目が始まるのですが、それよりも重要なことは、それぞれの方々が「葬儀」や「社 葬」に対して勝手に抱かれておられるイメージの払拭で、まずは、どんな形式があるのかというところから、プロデューサーの招聘から始まるのが社葬シナリオ 構築の基本であると提案するところです。

 無駄な経費を要されて嘲笑される社葬の多さ、その現実にお気付きになられた時、皆様がお考えになっておられた世界とは全く異なる社葬が行なわれることになり、嘲笑が拍手に変わる体感を何度もいたしております。

 弊社への社葬のご依頼、それは他社との競合というケースは謹んで辞退申し上げますので、なにとぞご理解、ご海容くださいますようお願い申し上げます。
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