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2002-05-02

映画 「お葬式」

古い話で恐縮だが、伊丹十三さん監督で話題を呼んだ映画「お葬式」のご記憶があられるでしょうか。
 
脚本が生まれた背景には、俳優宮本信子さんのご実家での葬儀のご体験があり、葬儀社のキャスティングには江戸屋猫八さんが起用され、渋い味のある雰囲気を感じさせておられて印象に残っている。
 
この映画が放映されると同時に、ある宗派の別院さんからお電話を頂戴し、対談のパネリストの要請があった。

日程を決定され、条件はその日までに映画「お葬式」を見ておくこと。詳しいことまで分からなかったが、取り敢えず謹んで承ることとなった。
 
やがて、当日、別院の中にある部屋には、すでに選出された方々がおられ、何度かテレビの番組でご一緒した浜村 淳さん、ぼやき漫才で有名な人生幸郎さんの御令室、生恵幸子さんもおられた。
 
対談の設定は、別院さんが発行されておられる広報誌の特集記事で、浜村さんは映画評論、生恵さんはご主人を亡くされたご遺族の立場、そして、私は葬儀屋のスタンスで進められることになっていた。
 
対談の中で、浜村さんが映画評論家らしいご意見を話された。確か、次のような内容だったと記憶している。

「こ の映画は、ある観点からすると、日本の歴史に残る2本目となる話題の映画となるでしょう。1本目は有吉佐和子さん原作で有名になった<恍惚の人>で、放映 されてから半年後ぐらいに、テレビ局が何度も有吉さんに切望され、テレビでの放映許可を懇願されたそうですが、有吉さんは頑なにご辞退をされました。有吉 さんのお考えは、<恍惚>はすべての人々に訪れる重要な社会問題で、映画館に足を運んで見ていただきたい。茶の間のテレビで食事をしながら、また、寝転ん で見ていただきたくないということでした」

 浜村さんは、誰もが知る名調子で、そう語ってくださり、「お葬式」も誰にも訪れる社会問題というところから。きっと、有吉さんのお考えのようになるかも知れませんと結ばれた。
 
しかし、残念だが映画「お葬式」は、確か、1年以内にテレビで放映されてしまったようである。

 葬儀屋の立場で申し上げたことは、伊丹さん、宮本さんがご体験された葬儀でのご苦労、裏話が脚本化された訳ですが、もし、この葬儀が大阪で行われていたとしたら、絶対に映画化されることはなかったということ。

それは、ご遺族やご親戚のご負担が軽減される大阪の葬儀社サービスのレベルで、地方とは比較の対照にならないほどの違いがあり、脚本のご発想が生まれなかったであろうということでした。

 伊丹十三さんに・・・・・・・・合掌申し上げます
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