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2005-08-14

日付が変わりましたが  NO 1240


 昨夜のコンサートが始まる前、事務所を覗くと女性スタッフ3人が内職のような手作り作業をしていた。

 めったに使用することのない葬送仏具、関東のお寺様で行われる「寺葬」で必要なものだった。

  器用な手付きで鋏を動かしながら「かたち」になるが、「午後6時までに完成しなければならないのです」と焦っており、事情を聴いたら宅急便会社の事情から 間に合うタイムリミットがその時間。進み具合を確認したら何とか間に合いそうで、東名高速道路の渋滞がないことを祈りながらコンサート会場へ入った。

 早朝からスタッフが走り回っていた。ご不幸の一報から動き始めるのだが、旦那寺さんや菩提寺さんとの連絡が取れず、枕経の時間や葬儀の日程確認が遅々として進まないから。

 それはお客様も納得され「お盆に命日なんて故人らしい」というお声を耳にすることも多い。

 ご遺族も大変、親戚や知人への訃報通知がままならない。携帯電話の時代になって思わぬトラブルに進展することも。

「今、温泉に来ているの。3泊の予定でどうしよう?」ということもあるだろう。それで互いの絆に亀裂が入ることも少なくないよう。

 最近、葬儀が終わった後日に「お参りを」と弔問されるケースが増えているが、これらは通夜と葬儀の参列者数が逆転したことに顕著なように、日本の葬送の「かたち」が間違いなく変化してきている表れとも言えるだろう。

  あるご葬儀の担当責任者が帰社した。お寺を式場として拝借するそうだが、そのご本堂を拝見して驚嘆したそうだ。広い畳敷きの状態がボタンひとつで椅子席に なるシステム。こんなところにも時代の変化が感じられるし、過日の新聞記事にあった浄土真宗本願寺派の「導師作法」改革のニュースも話題になっている。

 座布団と着座の世界が当たり前だった葬儀、葬祭式場の流行で椅子席が多くなった潮流の中、導師の諸作法も変革するべきという行動に移られたようで英断と考えている。

 平成の時代を迎えてから気になっていることがある。それは、通夜や葬儀の場に子供達の姿が少なくなったこと。刺激的なテレビゲームの一方で、霊柩車に手を合わせる教育は重要なこと。

運転免許更新時の条件受講の内容もそうだが、死で悲しむ人達の姿を知ることは大切。きっと他人に優しい性格になるきっかけとなるだろう。

 そうそう、コンサートに子供さん連れの方が増えてきて嬉しく思っている。ワン・コインのコンサートが中心だが、小中学生は無料という弊社シーンのコンサート。その内に子供を対象にした企画も考えたい。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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