2003-12-28

家族葬から   NO 650

写真は、最近に多くなった家族葬。お寺の立派な本堂で行われたが、そこに参列されたのはお孫さんを含む7人のご家族だけ。

 「私の死を悲しんでくださることは有難いが、皆さんの大切な時間を考えたら気の毒」

 そんなご意思に則って進められたものだったが、棺の中に納められる物を皆さんで真剣に考えられた素晴らしい葬儀であった。

  これまでに何回も書いた私の哲学、「親を送って一人前の葬儀社、孫を持って始めて爺ちゃん婆ちゃんの気持ちが分かり、葬儀に対する思いが確実に変わる。そ れまでは謙虚にあれ」だが、この葬儀では、お孫さんたちを出来るだけクローズアップさせるようにし、「命の伝達式」というコンセプトを強調した。

  幼稚園児や小学生に祖父や祖母の強烈な印象を与えたいものだし、出来たら葬儀の意義まで伝えたい。そんな思いが「命の伝達式」という大層なネーミングを誕 生させたのだが、弊社が加盟する日本トータライフ協会のメンバーたちには歓迎と賛同を頂戴し、各社の行動実践が始まっている。

 協会主催の研修会後に行われる懇親会、そこで上記のことに触れると熱い論議が交わされる。20代や30代の若いメンバーが意外に真剣に考え、それぞれが具現化させている事実が大きな喜び。

 近々に協会メンバーの1社がHPを開設する。中に社長の挨拶が記されてあるが、そこにも「命の伝達式」という表記が登場している。

 彼は、今秋に父である先代を送っているが、その時の貴重な体験がエッセンスのようにHP内に感じられる。

 発信の際にはこの「独り言」でお知らせするが、是非、ご訪問をいただけるよう願っています。

 最近に多い家族葬だが、その潮流を分析すると二通りある。それは、遺族側主流とご本人主流。前者は、一時期に流行った密葬型で費用を掛けたくないという思いが強いが、後者は冒頭のようなご本人の意思尊重型で、家族の「送りたい」という強い思いが感じられる。

 費用を掛けない方法はいくらでもあるが、送る思いだけは大切にしていただきたい。

 死に様は、生き様そのもの。それこそ生きた「証し」のように送られる。「次の方、ご案内」というような、処理的葬儀だけはされたくないもの。葬儀は、「命の伝達式」なのである。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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