2005-11-27

長文で恐縮ですが?  NO 1345


 今日は遠来のお客様、過日の広島のご葬儀、ご夫妻がわざわざお運びくださって恐縮の極み。塾生仲間との間に強く結ばれた「ご仏縁」に感謝をいただいて嬉しい思い。

いっぱいご持参くださった野菜にスタッフがびっくり、百貨店やスーパーには絶対置かれていない新鮮なもの。帰社してきた全員が「こんなの初めてです」と大喜び、お母様からのお供養として、手を合わせて頂戴した。

「地元で語り草になります」とおっしゃられ、思い出が形見となったら何より嬉しいこと。改めて<担当できてよかった>と込み上げてきた。

 そんな会話の中、塾生である彼女が私との出会いについて思い出話。東京でのセミナーから始まって、大阪のホテルで行われたセミナーが話題になって数分後、何とそのホテルの支配人が来社されたので驚嘆。

世の中には不思議なことがあるもの、支配人は、奥様の故郷から届いた産物をプレゼントに来てくださり、まさか私が在社しているとは思わなかったそうである。

 そんなところから、今日は、ちょっと長くなるが、ホテルに関するテーマに触れさせていただこう。

 あるお客様がグーグルで「葬儀 プロデュース」「葬儀 プロデューサー」の検索で調べられてからお電話が。ホテルでの大規模な偲ぶ会についてのご相談に進展。

 参上する前に確認してみたら、確かに弊社のページがトップに出ていた。

 すでに会場となるホテルと日程が決められ、式次第をどのように進めるかということで結論が出ず、ネットで調べられて「プロを呼ぼう」ということになったそう。

  内容について触れられないが、伺ったこと、提案申し上げたことのやりとりで結論に至ったのは「先に私と会うべきだった」ということ。ホテル側とされてきた 打ち合わせのレベルとの違いに後悔され、案内状送付前で可能だったらホテルを変更するというご意見も出てきたが、それは三者に得策でないと申し上げた。

 現在、これとまったくよく似た別件もあり、私自身もやり難い仕事になっている。

 プロデュースと司会を担当することは仕事だが、プロデューサーの立場からするとホテル側を組み入れたキャスティングが不可欠。玄関からの流れ、与えられた会場空間、そしてお帰りになるお客様の後ろ姿までを総合的に考えなければならないもの。

 そこでご遺影を飾る祭壇や献花の花をホテル側の一方通行レベルで進められたら大変。設営に関してホテル側が契約されるフラワー会社が担当するのは結構だが、せめてコンセプトぐらいは考えて欲しいし、献花の意義が伝わるようなプレゼンテーションもされるべき。

 デザイン写真ひとつで価格を決められ、勝手に思い込んでいるみたいに安っぽいカーネーションや菊一輪の献花なんて終わっている。

 そんな話をお客様側に申し上げると皆様がご納得をされ、「すべてプロデューサーにお任せ」となってくるが、これは私としても困る問題。ホテル側の立場を充分過ぎるほど理解しているし、互いの仕事がやり難いから。

  そこで「さりげなく」ホテル側へ情報を伝えるようにする訳だが、「ブルーがお好きだったそうだよ」「**県のご出身だよ」「奥様にプロポーズされた 際、**の花を贈ったそうだよ」「**がご好物。料理長にお知らせを」なんて言うと、相手側にも恐怖感が生まれてくるようで「どうしたらよいでしょう?」 と歩み寄ってくるケースもある。

 ここで完全に二分化するのがホテルの面白い現実、お客様のご満足を重視されるホテルは姿勢が急変する。後は言わないでもご理解いただけるだろう。

 私はプロであると自負している。お客様のご満足を無視されたホテルの場合、単なる司会者としてしか仕事を請けず、そのことをはっきりとお客様に伝えることにしている。

 さて、本番が済むと問題が表面化してくることになる。司会のトークに前述した故人情報が出てくるところから、それらが何も「かたち」として表現されていない現実に施主側の方々や参列者が気付かれることになるからだ。

  これは、ホテル側に対する嫌がらせではないと誤解のないよう願いたいが、会場、料理を「売りもの」にされ「おもてなしには自信があります」という姿勢の 中、その「おもてなし」の意味と対象者を間違ってしまっており、それらは一昨号で書いた「第一部」「第二部」のこと、そして「神佛と共食」の問題提起が物 語っているだろう。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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