2004-02-20

座談会から   NO 707

 深夜から朝方に掛け数件のご不幸発生のお電話が重なり、スタッフ達がそれぞれのお客様の対応を進めてくれた。

 不思議なことに、今年になってから、これまで体験したことがない事実が発生している。それは、検死というケースが10名様近くになっているということ。

 先月の「独り言」や日本トータライフ協会のコラム「有為転変」にもあったが、検死が全国的に増えている。核家族の問題や少子高齢社会の背景に潜む大きな問題であるような思いを抱いている。

 さて、午後から招かれていた座談会に行った。会場は、ヒルトン大阪。エグゼクティブ・カンファレンスで、このフロアの一番広い部屋が用意されていた。

 我々の仕事に関係する分野でネットによるアンケート調査が実施されており、その回答された方の中から5名の女性が選出され、私を含めて対談するという設定だった。

 アンケート調査の中には「葬儀を出す側から」と「参列する側から」とがあり、前者には葬儀社のアドバイス、行動力、利用感、気遣い・態度。後者には利用感、行動力、雰囲気、アナウンスという分析項目もあった。

 調査会社の分析結果に「悪い印象が強いのはアナウンスで、変に涙をそそる演出は印象が悪く、そこまで場を作らなくてもいいと考えていると思える」というのが面白い。

 これは、葬儀の司会者を教育する際に叩き込んでいることだが、少し慣れてくるとこの方向に陥るパーセンテージが高く、そこでの誤解が取り返しのつかない結果となってしまう。素人の方々に指摘されることはプロとして恥ずべきことと認識したいもの。

 対談が行われた部屋には、カメラマンの方を含めて15人。過去に肉親を送られた方の発言は重く、その時の情景を思い浮かばれ涙を流された方もおられ印象に残っている。

 今日のテーマのコンセプトにあった「葬儀に於けるレディーのサービス」だが、皆さんが女性の天性であるホスピタリティをご理解されていた。

 さすがに選ばれた方々、それぞれの方が素晴らしい発言をされていたが、私は、今回の企画で後悔していることがある。<座談会が始まる前、持参していたビデオ映像を数分でもご笑覧いただくべきだったと>

 その後なら発言が絶対に変化しただろうと確信しているし、皆さんがご希望された葬儀への思いが「かたち」として存在していることを知られただろうと残念に思っている。

 今年になってから「家族葬」的な葬儀が多くあった。今日のご意見からもそんなご要望が強く感じられたが、葬儀式と告別式の分離が確実に進んで行くだろうと断言する。

 結びになるが、分析結果の一部に興味を抱いた。

 『葬儀を出す側、参列者側では参列者側の意見の方が印象がいいものが多く、出す側の意見は厳しくなり、利用してみると60%程度悪く感じている』

 アンケートの回答をくださった方々が、弊社や日本トータライフ協会に加盟する業者で葬儀を体験されたら、いったい、どんな答えとなるのか興味を覚える。
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