2002-03-21
アンパンマンさん・・・有り難う
一昨年だったと記憶していますが、ある新聞の読者投稿欄にあった「アンパンマンさん有り難う」という文字に興味を惹かれ、拝読させていただき<そうなのか>と納得したことがあります。
確か、70代の女性の方だったと思いますが、娘さんご夫婦が共働きで、平日は、ずっと2歳ぐらいのお孫さんを預かっておられたそうです。
雨や風の日もあり、毎日近所の公園ということもならず、大変なご苦労をされたそうですが、ぐずるお孫さんの最高のお友達になってくれたのがアンパンマンのテレビとビデオ、そして様々なグッズでした。
やがて時が流れ、お孫さんを預かる必要がなくなったとき、心からこの表題の言葉が出たそうです。
そんな話しが印象に残っていた私にも、初孫となる女の子が誕生。1年した頃、関東に在住する娘からの情報によると、アンパンマンに大きな興味を示している とのこと。もちろん贈るおもちゃはアンパンマングッズ。大きな玩具屋さんに足を運んで驚いたのはキャラクターグッズの多さ。数日後にはインターネットで検 索までする始末。中には「崇拝する会」の存在まであって驚きを新たにした。
岡山から高知間の特急列車のアンパンマン列車。作者の故郷である土佐山田市に存在するミュージアム。2歳を前にする頃に里帰りした時には、車で高知へ向かってしまう「爺ちゃん」振りを見せてしまった。
ミュージアム、そこは凄い世界であった。よくぞここまでというぐらいのアンパンマンワールド。隣接するホテルのレストランで出た「ふりかけ」にまで徹底されていた。
孫は、完全に固まってしまった。テレビと異なる空間に引き込まれ、足を見ると興奮して震えているのが分かる。お陰で夜に寝付かず娘に叱られた。
しかし、それからの私は、孫から見るとアンパンマン爺さんに見えているようだ。そこで思わず「アンパンマンさん、有り難う」
さて、今日は風変わりなキャラクターの登場であるが、ここからが本題となる。
多くの方々をお送りさせていただくが、お孫さんたちに「有り難う」「さようなら」という言葉で見送られながらご出棺される光景が大好きである。この世に生 まれて諸行無常の理に命終を迎える。そのときに孫の存在があることがどれだけ幸せなことだろう。出来たら「曾孫」「やしゃ孫」まで、それは人間の欲である が、そんな欲望は許されると思っている。
ご遺族の方々のお声、「せめて孫を抱かせてあげたかった」。そのお心残りのご心情がよく分かる。孫の誕生、それは私の仕事に大きな変化を与えてくれることになった。
これまで、まだ実験的段階で多くは行なっていないが、ご出棺の直前に行なう「命の伝達式」の誕生である。
今までの体験から、お棺の周囲におられる方々から「あれはいいことですね。感動しました」というお言葉を頂戴しているが、もっと練り直して「かたち」にしたいと思っている。
秋の協会大阪研修会の頃には完成し、メンバー皆さんと共に実践をつとめたいと考えている。
命の伝達式・・・・いずれ、全国で行なわれる時代が到来することを願っています。
・・・・<アンパンマンさん・・・有り難う>