2007-06-30

何とかならないの!  NO 1905


 時間に追われて自転車で法要の式場へ向かっていたら、昨日のご葬儀の喪主様とばったり。ご丁重なお礼のお言葉に恐縮しながら道端で15分ほど立ち話、葬儀が終わってから訪れる様々な問題について説明を申し上げた。

 そんな事情でぎりぎりで間に合った法要、ご導師が入場前に「その節は」というようなイメージで会釈をくださり、またまた恐縮。真言宗らしい雰囲気が伝わるような開式の言葉を担当した。

 約1時間のご法要が済んだらすぐに隣の会場で「御斎」が始まる。皆さんが揃われたところで僭越だったが葬儀を担当させていただいたご仏縁に対する感謝の意を伝え、「神仏と共食」という日本の伝統である「直会」と「御斎」の意味について説明し、献杯まで進めて戻った。

  今日は、多くの宅配便が届いた。深いご仏縁をお結びいただくお寺様から山形直送の「さくらんぼ」が。また、女性の方から「ご当地ラーメン」や珍しい「フ ルーツ」もいただいた。添えられてあった手紙の緘代わりにハートのシールが貼られている。期待して開いたら、それは残念ながら「愛します」ではなく「心 臓」を意味し、「身体の自愛を」ということ。そのいたずらっぽい演出に思わず参りましたと手を合わせた。

 さて、遠方で行われていたお通夜に行くことになった。大阪市から隣接する市外地を通過し、向かったのは大阪府下のある公立斎場だった。

 何度か使用させていただいたことはあるが、いつもスタッフから「社長は結構です」ということから行ったことはなかった。<それが、今回はなぜ!?>ということだが、担当責任者の判断からの要望で式場に到着して初めて知ったことがあった。

 多くの税金を費やして建設された立派な葬儀式場だが、音響システムが最悪、マイクを手にする気さえ失せるほど酷い音質だったからだ。

 システム自体は結構高額なものだが、所謂「お役所」的発想、市民の終焉の儀式を真剣に考え、是非、意識改革をして改善して欲しいものである。

  大阪市内には「やすらぎ天空館」という便利な式場があるが、そこの音響も好ましいタイプではなく、いつも弊社のシステムをセッティングしているが、今日の 式場は「持ち込み禁止」と制約があり、その市内の同業者から問題提起がされていない?と、不思議な思いを抱いて帰ってきた。

 昨年に初孫さんが誕生したばかりという故人、学童疎開や神風特攻隊が始まった昭和19年お生まれという若さが悲しいし、壮絶な闘病生活の中、奥様も大変な病にという辛い現実に涙を流される方が少なくなかった。

 こんな音質では「会場空間」を「式場空間」「儀式空間」に神変させるには大変だ。そこで代行謝辞の中で特別バージョン対応するしかなく残念然り。その地の市民の皆様に同情を申し上げる次第である。

  ラジオ、テレビの音質もグレードアップしている時代、ましてや車内のオーディオやカラオケの音質に「うるさい」人達が多い筈なのに、こと葬儀になったら気 にしないのが不思議。私には絶対に理解できない問題で、スタッフ達が私を呼ばなかった事情を知り、この「独り言」から、葬儀こそ高度な「音響」「音質」が 求められていることをご理解くださる方が増えて欲しいと願っている。

久世栄三郎の独り言(携帯版)
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