2004-07-04

変化の風   NO 841

地方紙を含め、全国で発刊される新聞や雑誌に「死」「宗教」「葬儀」などに関する記事が増えている。

 弊社は、これらの記事のすべてが送られてくるシステムを10数年前から構築しているが、その量の増加には驚きを新たにしているほどである。

 プランナー、コーディネイト、プロデュースなんて言葉が多くなり、ブライダル業界を追い掛けるような葬祭サービスの産業構造の変化を感じている。

 そんな記事を毎日目にしている社員たちだが、「社長が予想されていた時代の到来ですね」という発言に、どうやら納得と理解が生まれているようなので安心している。

 どんな世界にも本物と偽物が存在するのが世の常だが、産業に変化の兆候が表れると偽物が蔓延ることも世の習い。今、葬祭業界には、そんな暗雲が棚引き出したような気がする。

 葬儀を考える会のような冠をつけたNPOも潮流のようだが、組織側の利益追求を模索しているのが大半。そこに「癒し」「悲しみの理解」「命の伝達」「哲学」なんて言葉を発見することはない。

 最近に特徴的なのが、葬儀社を下請け化させる組織団体の増加。下請けとして契約に応じる葬儀社のレベルは低いところばかり。そこでクレーム処理に追われて崩壊の道というシナリオが見える。

 弊社が加盟する日本トータライフ協会のメンバー達だが、彼らは本当に熱い心の持ち主。同業者が自身に訪れる葬儀を真剣に語りながら涙を流すなんて不思議な世界。そこに「プロ集団」らしい存在意義があるのかも。

 新聞や雑誌に互助会の崩壊や解約増加の記事が増え、その将来性の危機感が現実味を帯びてきているが、葬祭業界に大きな変化の波が押し寄せていることは確かなこと。

 そこで何をすべきかと結論すれば、やはり本物「志向」となろうし、その支えとなるのが社会の「指向」であるニーズ。そのための「思考」が協会の社会的貢献で、歓迎と賛同を頂戴する段階に至っているのである。

 過日の名古屋でもそうだったが、オープニングのコメントとしてシナリオで重視されているのが次の言葉。

 「皆様のご意見を集約して『かたち』にいたしますと、こうなりました」

 こんなイベント体験を、互助会関係者やおかしなNPOの方々がご覧になったらひっくり返るだろうが、人を送る儀式が簡単ではないことだけはご理解いただきたいと願っている。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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