2006-09-08

不思議ですね!  NO 1622


 日本全国に多くの温泉地の存在がある。最近のお客さんはネットで充分な調査をされ、自分達が望む温泉地を探し、そこから宿泊する旅館を決定するが、夫婦の場合の決定権は奥さん側にあるパーセンテージが高いようだ。

 最寄り駅から旅館までタクシーを利用する人も多いが、この車内が想像以上に情報の宝庫。温泉の歴史から女将さんの内緒話まで入手可能となり、初めて宿泊する旅館のイメージを膨らませるひとときともなる。

 チェックアウトをされたお客さんがタクシーで最寄り駅まで向かう。その車内で交わされる愚痴や賛辞の感想こそ「口コミ」のキーワード、旅館経営者にとっては、運転手さんから得られる情報の重要性を認識されるべきと提起したい。

 ある地方の旅館にお世話になった際、部屋に来られた女将さんとそんな話をしたら喜ばれ、出発時に思わぬお土産を頂戴したことがあったが、それから1ヶ月も経たない内に丁寧な礼状が届き、末文に次のように書かれてあった。

「次 の日から、お客様を乗せてきていただいた運転手さんに『ご苦労様』と声を掛け、100円玉を入れた『ぽち袋』をプレゼント。そして、朝の出発時にもプレゼ ントを実行。『安全運転で』と声を掛け、車内でお客様が仰られた当館の問題点を教えてくださるようにお願いしました。それにより知ることになった問題は予 想外のこと、すぐに改善につとめ、スタッフ全員を含めて社内に大きな意識改革が生まれました」

 ホテルや旅館では「リピーター」という言 葉を重視され、そのための努力に取り組んでいるところが多いが、旅行客の大半は色々な地の様々な旅館に宿泊したいと考えており、「もう一度宿泊してみたい 素晴らしい旅館」という思いがあっても行動に発展することは非常に少ない現実も知りたいもの。

 ホテル、旅館の世界で「リピーター」という発想は、上述の思いを有されたお客様のご満足の声が他人に伝わり、耳にされた人達がやって来るという「口コミ」こそがリピーターと考えたい。

  設備、料理、清潔感やスタッフの言葉遣いなんて当たり前、最終的な評価は担当してくれた人の問題。サービス提供で関係したすべてのスタッフ達で決められる もの。一人でも悪いイメージを与えてしまったら残念な結果となるし、これらを私の仕事に置き換えて分析すると次のようになる。

「葬儀は礼節が何より重んじられるべき。お客様と接する際の言葉遣いに70点や80点という点数はつけられるが、礼節に関しては「100点か0点」しかないのが結論。サービス業のホスピタリティは、それが基本ですべてであると考えたい」

  旅行情報誌やテレビの旅行番組で旅館の評価を目にすることがある。料理、お風呂、設備、立地条件などに点数をつけ、それをグラフ比較していることも多い が、「人」に関する評価が表面化しないのが不思議なこと。それらは「当たり前」「以前の問題」だからと判断されてしまっているからだろうか。

 多くのホテルや旅館を利用してきたこれまでの歴史、素晴らしいスタッフと出会うことが私の最高の「お土産」となる。今回の講演旅行でも、そんな嬉しい「えにし」があったことが何よりの思い出の1ページ。<あの印象に残った笑顔が見たいから>というリピーターになった。

  今日の結びに不思議な「ご仏縁」を。今日、弊社の式場で司会を担当することになった。お寺様専用駐車場に和歌山ナンバーの車があるのが目に留まり確認した ら、昨日に行っていた地のすぐ近くのお寺様。打ち合わせで大雨と雷の話を申し上げたら「凄かったですね」と、その偶然にびっくり。世の中には、そんな不思 議なことがいっぱい起きるもの。それこそ「えにし」という結びになるのだろう。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
携帯で下のQRコードをスキャンするか
 または
携帯に下のURLを直接入力します。
URL http://m.hitorigoto.net