2023-09-16

昔の話  NO- 20022

アンプ好きな番組「ハルさんの休日」を観ていると、那須の元牛舎を改造してカフェにしている物件があり、そこに立派なスピーカーが置かれてあり、オーナーが収集したレコードを流して天井が高いので音響がよかったと報じていた。

これを観ながら思い出したのが、青春時代に友人から誘われて行った喫茶店で衝撃を受けたことである。

当時、私はオーディオに凝っており、それを知っていた友人が誘ってくれたのだが、それは凄い世界だった。

現在の昭和町と文の里の間にあった「ボストン」という喫茶店だったが、店内に入ると着物
を着た中年女性がウェートレスをされており、玄関を入ったすぐ左手に大きな電蓄が置かれ、レコードを流していったが、奥の壁を目にして驚愕した。なんと60発ものスピーカーが埋め込まれており、高音のツイーターまで見事に鳴っていた。

オーナーがオーディオマニアで、道楽でこうなったと聞いたが、その空間で聞いた音質は半端じゃなく、帰宅してからアンプやスピーカーを変更する気になってしまった。

会社から運河の橋を渡ったところに理容店があり、一度だけ入ったことがあったが、音質の素晴らしい音楽が流れており、ふと見ると天井に「サンスイ」のスピーカーが備えられていた。
「サンスイ」なんてオーディオマニアしか持つことはなく、ご主人にそのことを尋ねたら、横から奥さんが「狂人的なマニアの道楽なのです」と笑われた。

お陰でご主人との会話に花が咲くことになったが、もう現在は閉業されたみたいで寂しい。

ビートルズの「イエスタデイ」を初めて耳にしたのはラジオだったが、パーシー・フェース管弦楽団の演奏は重厚で、クラシックの曲かと勘違いをしたことを憶えている。

NHK放送のラジオは第一と第二があり、ある時に新聞の放送予定を観たら、ステレオ放送を試験的に企画したというニュースが目に留まった。それは2台のラジオがあれば第一と第二で異なる録音演奏を流し、中央で聞いたらステレオになるというものだったが、態々ラジオをもう一台買って始まったのがオーディオの始まりでもあった。

東芝のボストン、サンヨーの「Otto」「ナショナルの「テクニクス」などのセットをそろえたこともあったが、トリオのアンプでサンスイのスピーカーで、赤井のオープンデッキのテープレコーダーなどをセッティングしたこともあったし、当時から売り出して来たヤマハの製品に大きな興味を抱いたことも懐かしい。

ナショナルが面白い企画を発表したこともあった。確かフェスティバルホールだったと記憶するがオーケストラの前に「テクニクスのオーディオ機器を並べ、どこで切り替わったかを耳で確認するというものだったが、参加できなくて残念だったことも憶えている。

映画音楽で知られる作曲家がオーケストラを率いて来日され、シンフォニーホールで公演されることになり、発売と同時にチケットを購入して聴きに行ったが、中央付近の席でよかったが、前から参列目だったので指揮者の背中を観るのに頭を持ち上げなければならず、10分もすれば首が痛くなって閉口したことも忘れられない思い出である。

前述の喫茶店「ボストン」はその後に3回ぐらい行ったが、50代の頃に探したら閉店されたみたいで見つからなかった。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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