最新 最古
2002-08-29

九州は遠いですね。    NO 179

28日の九州での社葬を終え、2人のスタッフの車に同乗して帰阪した。
 九州を出発したのが午後5時。750キロを走行して事務所に到着したら29日の午前1時前。やはり年齢なのか、腰から背中に掛けてキンキンである。

 それにしても車で走れば日本は広いもの。途中で強風、雨、霧まで遭遇したが、夜間走行は、どうしても目に疲れがくる。

  乗ってきた車は、キャデラックのフルサイズ。5メートル70センチのロングボディで乗り心地はいいが、スプリングがソフトでカーブに弱い習性があるところ から、慣れないとハンドル操作が難しい。正装しなければならない我々の服装や、様々な特殊器材の持参というところからすると、どうしても大きな車が必要 で、会社の車を使った訳である。

 大阪から往復で約1500キロ。換算した使用ガソリンは220リッター。満タン92リッターが高速通行では630キロ程度。途中で何度か燃料補給をしなければならない不経済な車である。

 さて、2泊3日の九州での社葬担当。式場での真剣なリハーサルに力を入れたが、ホテルに帰ってからの変更シナリオの創作に時間を要し、2日間とも睡眠時間は3時間程度となってしまった。
 何とか寝なければと、医師から貰った睡眠導入剤の助けを借りたが、その影響で、朝の目覚めは朦朧状態。頭をすっきりさせるには少しの時間が掛かることになった。

 私は、本番が始まる前の食事を抜くことにしている。食べると頭の回転が鈍くなることと、大切な発声に影響が出るということへの配慮で、永年の習慣リズムとなっている。

 本番が終わる。達成感という心地よい疲労感に併せて、猛烈な空腹感にも襲われるが、我々葬儀のプロにしか分からないある症状が生まれることも吐露しよう。

 それは、虚脱感にとらわれるということ。長時間歩き回り、緊張の中で2時間以上立った姿勢でマイクを担当すると、車の長距離運転とは全く異なる足腰の疲れがドット表れ、何もしたくないという時間が30分ぐらい発生するのである。

 本番が終わり、6分間のご遺骨返還式を済ませ、スタッフ達が片付けを始める頃、私は吹き抜けのあるコーナーの椅子でウーロン茶を飲んでいたが、葬儀の役員さんが次々にお礼にお越しくださった。

「こんな社葬は初めてでした。葬儀の世界にもプロがおられるということを知りました」
「司会者が大阪からと聞いた時、正直、疑問を抱いていましたが、いやあ驚きです。言葉が見つからないほど嬉しいのです」

 そんな嬉しいお言葉も頂戴したが、伴って行った2人の弊社スタッフの存在を褒めていただいたことが一番の喜びであった。

  男性スタッフは、ホテル関係で高い能力を培っていたし、女性スタッフは、ホスピタリティのプロ。彼女は可愛い女性であるが、ご遺族への接し方には誰にも出 来ない独特のハートを持っているし、本番の行動、仕種には、誰の目にも「プロ」と認識される「魅力」を秘めており、弊社の素晴らしい「人財」達である。

 今回の社葬シナリオで、担当する葬儀社スタッフ全員にお願いしたことは、オープニングの重要性の認識であった。開式前の皆様へのご挨拶のひとときにすべてが掛かっている。その部分のリハーサルに力を注いだが、彼らは、それを本番で見事に完璧にやり遂げた。

 スタッフの皆さん。お疲れ様でした。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
携帯で下のQRコードをスキャンするか
 または
携帯に下のURLを直接入力します。
URL http://m.hitorigoto.net