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2002-08-20

情報伝達    NO 171

19日の夜に帰阪した。この1週間で3800キロの列車移動をしたことになる。

 関東方面は台風の接近で、大雨の影響による不通区間や運転の見合わせをしている情報が多く流れていた。

 往きの「のぞみ」で車両点検ということから24分遅れで発車をしたハプニングに出会ったが、帰路は新大阪で乗り継ぐ「くろしお」の到着にも遅れが出ていた。

 ホームに流れる放送では、他の電車の到着遅れが原因と謝罪されていたが、交通機関で乗客に情報が伝達される場合、すべてと言っていいほどいい加減なレベルが多く、それらが乗客の怒りに触れることも少なくない。

 全国へ出掛ける私は、大雨、積雪、台風、架線事故など、遭遇したくない多くの体験をしているが、人の心理を重視するアナウンスに出会ったことは一度もないことが残念である。

 ある時、乗車していた「のぞみ」が浜松を過ぎてスピードダウンをし、しばらくすると停止してしまった。新幹線の最優先列車である「のぞみ」がそんな事態を迎えることはなく、進む先で何らかの事情が発生したことになる。

 前の列車が遅れていて、停車駅の退避車線に入っていない場合は徐行するが、すぐに「信号」が原因との放送がされ、乗客も静観しているだけだが、放送までの時間が2分を過ぎると、「どうなっているのだ」という反射行動を表す人が増える。

 その時、停止したまま3分間の時間が流れ、放送が全くされなかった。中には車掌室に事情を訊きに行った人もあったが、運転指令所からの情報が不足しており、アナウンスが出来ない現況であったようだ。

 それから2分ぐらいして放送があった。「只今、大雨で列車を止めております。お急ぎのところ申し訳ございませんが、今しばらくお待ちください」

 もしも車掌さんが確実な情報を得ていたら、どのようにアナウンスするかに興味を抱く。乗客の心理を第一に考えると、事実の伝達が最も大切だからである。

 例えばだが、「**駅から先で、大雨により**川の鉄橋が増水し、運転規定により全列車が止まっています。ご乗車の皆様には情報が入り次第お知らせいたします。今しばらくお待ち合わせください」

 そんな情報提供が伝わると、乗客は自分達だけではないという事実も解るし、原因の相手が雨という自然である以上立腹の度合いも低下し、自分達の安全にも関わることで、きっとクレームにつながることはないだろう。

 真冬に東京からの最終の「のぞみ」で次のようなこともあった。新横浜を過ぎた頃、「米原付近で積雪のため徐行運転をいたします。そのため5分程度の遅れが予想されます」
 それから10分もしない内に外を見ると雪が降っている。

「雪は、名古屋駅でも積雪の情報が入りました。そのため15分程度の遅れが予想されます」
 熱海駅を過ぎ、トンネルを抜け三島の近くに行くと外は大雪で吹雪になっている。
「静岡駅から先でも積雪となっています。30分程度の遅れが予想されます」 

 その「のぞみ」は名古屋駅で40分遅れ。新大阪へは57分の遅れで到着したが、途中で停止するという最悪の事態を免れ、ほっとした懐かしい思い出である。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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