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2002-09-06

協会の研修会に向けて   NO 187

昨日の夕刻から2人の社員を伴い神戸に出掛け、ホテルで研修会の打ち合わせを行なってきた。

 JRの快速の車窓から見える山手側の住宅風景。神戸に近付くに連れ、山が迫り、高層マンションが立ち並ぶ。

 人々の暮らしを伺わせる窓の明かり。私は葬儀屋らしい観点で考えてしまい、ふと、昨日の「独り言」のテーマである「北枕」のことを思い浮かべていた。

 高齢社会を背景に、大切な家族の一員が不幸な?デーを迎えられた時、どんな形式で葬儀を進めて行かれるのだろうかとの思いも過ぎり、葬祭式場の流行、事前相談の増加、ホテル葬の潮流までの構想を描くひとときとなった。

 弊社が加盟する日本トータライフ協会は、今、葬祭業界、ホテル業界での注目を一心に集めている。なぜならホテル葬や無宗教の独自のノウハウ、ソフトを、知的財産に帰属するレベルで構築し、日本の最先端技術として認識されてきているからである。

 そんな協会が主催する秋の研修会。ホストとなる立場にある大阪と神戸のメンバーには重責が課せられることになり、全国から集まる「匠」達を納得させるだけの研修カリキュラムを組み上げなければならず、綿密な打ち合わせが必要で、昨日から始まった訳である。

  未曾有の阪神淡路大震災のことも重要なテーマで、その時の悲惨な体験報告は、悲しみに接する我々葬祭業にとって何より貴重な研鑽となり、これまで受講され たメンバー達が、異口同音に「学んだ次の日から、葬儀に対する考え方に変化が生まれ、自身の仕事の重責と新たな誇りが生まれた」と語っている。

 協会のHPで毎日更新している「必見 コラム 有為転変」。その9月5日付けNO227号で「悲しみの語り部」と題された内容でも触れたが、天災による瞬時の不幸。それはどんな悲しいドラマより悲惨な現実があり、語り部自身も涙なくしては語れないそうだ。

 人の死に接する。人の死に涙を流す。そんな時、人はこれまでよりやさしくなれるそうで、そんな体感につながる貴重な講義を拝聴出来る「えにし」に、深く感謝の意を抱いている。

  一方で、朝からイントラネッツを開くと20ページに亘る文章が記載されていた。これは、高知県のメンバー「おかざき葬儀社さん」が明日に担当される講演の レジュメで、受講されるのは大手病院の医療関係者。その内容は葬祭心理学、葬祭サービス学からグリーフワークにまで及び、受講者の皆さんがさぞかしカル チャーショックを受けられるものと推測している。

 業界情報雑誌の今月号に、当協会の杉田副理事長の特集記事が10ページ以上に亘り掲載され、小見出しの文字には「祭壇のない葬儀」というのがあった。

 我々メンバーは、これらについての研修も何度も受けており、その言葉の真意を理解しているが、協会に加盟していない業者さん達には絶対に理解出来ないだろうと確信している。それだけの深い信念と哲学に裏付けされた重みのある完成のテーマであるからだ。

 日本トータライフ協会の活動展開。個性あるプロ達がよくもこれだけ集まったものだと再認識しているが、正道を進むだけにその影響力は計り知れないパワーを秘めている。
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