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2002-11-16

社葬とホテル葬の将来    NO 258

こんなことを書けば、葬祭業者、ホテル業界のみなさんの顰蹙を買うだろうが、今日は、過去にもしたためたことのある「社葬」について考えてみたい。

 結論として、社葬を行うことが次第に減少し、近い将来には確実に行われることがなくなるということ。それらは、現在の潮流にあるホテル葬、偲ぶ会、お別れ会にも顕著になっている。

 現在、ホテルを会場として行う社葬にも、大きな変化が生まれつつある。それは、不特定多数の参列を制限した「招待形式」傾向で、それらの規模も除序に小規模化し、やがては消滅してしまうという構図を予測している。

 新聞の黒枠広告で「社葬告知」を掲載されることも100パーセントなくなるだろうし、これらは大企業から始まってくるだろう。

  最後まで社葬にこだわるというケースが予測されるのは、中小企業の創業者の葬儀だが、これらも日を改めて行うことが少なくなるだろうし、盛大に行うことに なれば得意先の顰蹙を買うだけではなく、強い抵抗感の発生から21世紀時代の企業姿勢の将来に暗雲を感じられてしまうと確信する。

 これらは、ホテルが仏事サービスを始めたころに予測できたこと。料理ともてなしを売り物にしたホテルが宗教者を歓迎しない姿勢を見せた時、それらの将来が決定されたと言えるだろう。

 しばらくは続くであろう社葬形式による「偲ぶ会」「お別れ会」のホテルバージョン。ただの「集い」や「会」のレベルの現状は、消滅の方向への加速の原因であることも知るべきだ。

 一方で、世の中でありとあらゆるものの「安売り」合戦が繰り広げられているが、その裏側で「本物」を探し求めておられる方の存在も知らなければならない。

「全国統一価格で葬儀が出来ます。「セット価格です」「パック販売です」「コンビニで葬儀を受注します」
  そんなキャッチコピーが飛び込んでくるが、すべては近い将来に消えていく運命にあると断言する。一人の人生を送ることがどんなに大変なことか、また、葬儀 終了後から残された遺族がどんな悲嘆に陥るのか。そんな心理を研鑽すると、これらのコピーの滑稽さがはっきりと見えてくるし、人の社会での礼節を欠いた葬 儀だけはやりたくないもの。

 他社に追随が不可能というレベルのサービスシステムの構築。これらが一方で認識されてきているのである。  弊社の「高級」という社名を承知され事前相談にこられる方が増えているが、すべての方が「相談することが出来てよかった」とおしゃられるし、その大半が弊 社の葬儀に参列体験をされた方で、納得できる提案には感謝の言葉まで頂戴する。

 社葬の減少傾向の中で、特徴的なことに限られた方々だけ の「偲ぶ会」と「お別れ会」の本物志向も始まっているし、義理的会葬者の割愛という合理的英断がホテル葬流行を生んだ背景に、ホテルが会場空間だけを売り ものにしてしまったことが、社葬の減少に拍車を掛けたという皮肉な事実が秘められていることも知らなければならないだろう。
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