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2003-01-20

お旅立ち   NO 319

新規参入の航空会社の経営が軌道に乗れず、悪戦苦闘されている記事を読んだことがあるが、規制緩和の波に乗り、この航空会社が誕生した時、私は、絶対に経営不振に陥るだろうと確信していた。

それは、格安運賃を「売り物」にしていたからで、基本である安全とサービスを強調することが欠落していたからである。

 大資本の既成の航空会社に対抗するのに価格ダウンは間違いなく愚作。より以上の安全と人のサービス徹底をキャッチフレーズにすれば、何らかの生き残りの道があったように思っているのは、私が大の飛行機嫌いだからかも知れない。

 世の中はデフレ現象。航空運賃やゴルフのプレー費が信じられないようにダウンしている。正規料金で利用する正直者が馬鹿を見るような気がしてならず、そんな社会は、決して良い方向に向かうことはないだろう。

 今、ホテル業界の安売り合戦も凄まじい。ネットの世界を見れば一目瞭然だが、正規ルートで宿泊予約をしている人が知れば、間違いなく怒りが生まれる筈である。

 そんなホテルに限って、ホテルサービスの基本である「ホスピタリティ」が欠落し、ホテルの語源であるラテン語の「ホスピターレ」の意味を再認識して欲しいと願っている。

 私は、ホテルで仕事の場合は仕方なくホテルに宿泊するが、地方講演の時は絶対というぐらい旅館を利用している。

 「もてなし」を売り物にしていた旅館が大きく変貌し、ホテル化するところも増えたが、ビジネス部分を取り入れるだけの所が崩壊に向かっていると感じることも少なくない。

 現地入りする前にあちこちの旅館の情報を入手するが、ウェルカムドリンクやソフトドリンク1本サービスを表記しているような旅館にろくな所はないと言える。

 最近、エステティックを売りものにする高級旅館も増えたが、スタッフを売り物にする表記に出会うことがないので寂しく思っている。

 「部屋・風呂・食事」の三拍子が揃っていますと謳っている旅館があったが、味、設備、安全、防犯、衛生、環境はあたりまえ。なんと言っても旅館は「人」ではないか。
 
 チェックアウトする時に、「よい旅館だった」と思えることは何だろう。すべては「人」への評価に尽きるだろう。

 基本の上にスタートがあり、磨かれた「人」のサービスに接する時、そこに満足が生まれる。「旅行」とは、それに出会うことを求めることが大きいのだ。

 一方で、葬儀でいう「旅」は旅行ではない。それは、間違いなく「お旅立ち」なのである。(こんな表現をすると、浄土真宗のお寺様のご叱責を受けるだろうが、ご海容を)

そんな、一生に1回限りの「人生最期の旅」に接する我ら。やはり、ファーストクラスのサービスの心でお送りさせていただきたいと思っている。

 それも「高級葬儀」の理念のひとつである。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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