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2003-03-27

進化へのプロセスで   NO 384

担当してきた昨日のご葬儀、本当に静かなご終焉の儀式であった。

 故人の生い立ちナレーションを担当した女性スタッフ、緊張しながら真剣に取り組む姿勢に好感が持てたし、少しずつ成長してきていることが確認出来た。

 そのナレーションで男性スタッフの1人が目頭を押さえている。そんなやさしい心を持つ新人だが、身体がかなり大きくて目立つ存在。彼は、真言宗のお経を勉強しているところから、今日の葬儀が「和宗」でもあり、よい体験になっただろう。

 今日の導師をつとめられたのは、聖徳太子にゆかり深い四天王寺様。引導作法の後の「散華」の儀式が素晴らしく、会場空間に厳粛なイメージが生まれていた。

 ご出棺前に行われた喪主様の謝辞、これも素晴らしいご挨拶。今度はナレーターを担当した女性スタッフの目が潤んでいた。

 事務所に帰ると、約束していた様々な分野のプロ達が順に来社されて来る。限られた時間の中で依頼することを手短に話すことになったが、それぞれの方々が私の欲するものへの提案と決断が早く、予想していた時間に余裕が生まれるという嬉しい結果となった。

 隠れ家を出て下に降りると、女性スタッフが画像処理に取り組んでいる。枚数が多く、必要時間を確認して驚いたが、すべて手造り、それが当社の大切なソフトのひとつでもあるので仕方がない。

 食事の後「今日は10時までに帰ろう」と提案したが、誰も帰りますとは言わず、11時になっても終わらず、中には「今日、徹夜でやってしまいたい」と発言した女性スタッフもいた。

  時間との勝負となる葬祭サービス。それは、体験しなければ理解出来ないだろうが、大変な作業がいっぱいある。そんな中で、「これもしてあげたい、あれをや ればお喜びなる筈」と、それが一生に1回限りの葬儀だけに、経費の問題を度外視して「匠」としての仕事に向かい合うことも多い。

 夕方に天空館を担当していた女性スタッフが帰社した。

「社長、ご親戚の方が、広島への出張葬儀は可能ですか?」とのご質問を受けました。

 そんな報告があったが、九州や北海道での担当経験を持つ我々でも、それは、密葬を済まされてから行われる「本葬儀」ばかりで「ホテル葬」が主流。ご不幸発生時にお電話を頂戴し、それからご遺体の存在される通夜と葬儀となれば時間という物理的な問題で不可能なこと。

 最近、そんなお問い合わせが増えてきているが、それらの大半は弊社が担当したご葬儀をご体験くださった方。不幸な儀式の中で「ほっと」されるひとときを創造するコンセプトをお感じいただいているように思う。

今後、これらの対応をどのようにするべきかという難問に頭を悩ませているが、手造り作業がどんどん増え、スタッフの技術アップだけでは対応出来ない物理的問題の解決には、スタッフの増員にしか道はなく、人事担当責任者に命を下そうと考えている。
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