最新 最古
2003-06-23

ナレーターの指導    NO 466

 朝、ゆっくり目に事務所に行くとスタッフの内の4人がいない。確認してみると遠方から葬儀の依頼があり出掛けているとのこと。

 お茶を飲んでいると、女性スタッフが「溜まっています」と机の上にビデオを積み上げた。そこで<仕方がないか>と思いながら隠れ家に入り、吹き込み収録に付き合う。

 微熱の所為かも知れないが、どうも声の調子が今ひとつ。重厚さを伝える部分でのパワーが弱く、マイクの遠近テクニックで対応することにしたが、正直に言って、これは横着。

 収録が終わった後、30分ぐらいを費やし女性ナレーターの指導を行ったが、前回より上達という成果を感じながら、細部のイントネーションについて教える。

 彼女がナレーションを語っている。それを聴きながらおかしなところをメモする私。そんなペンを走らせる行動が気になるようで、書き込む度に変化を見せる。

 <今のところがまずかった。しまった>

 そんな心情の生まれも大切な教育。それが、続く原稿に影響を与えてしまい、そこからミスが次々に発生するが、ここに秘められた指導の仕掛けがあるのだ。

 失敗を引きずっていくことで、そこからどんなに悪影響を及ぼすか。それを体験させるのがこの勉強。ミスの部分を忘れ、涼しい顔で通過するようになることが先決である。

 多くのブライダル司会者の指導も行ってきたが、シナリオを読ませて詰まった時、その部分の冒頭に戻る人が多く、それが司会の基本ということを教えられた結果だろうが、私の教育に「戻る」という指導はない。

 ただ、戻る場合には条件がある。それは、誤まりを伝えてはならない重要なこと。例えば人名、日時、スケジュールなど。

 この「戻らない」というテクニックは、どちらかと言えば基本に反することも事実だが、戻る必要のない技術を身に着けさせることで解決するべきというのが私の哲学。

 さて、午後に思わぬ来客があった。若くて品のあるお寺さんだが、来社の目的はお寺のHPに葬儀社を掲載させたいとのこと。

 それは、両者にデメリットではと正直な考えを伝え、それから1時間以上も葬儀について話し合った。彼は、きっと「変なおじさん」と思っているだろう。

 最近、リンクの要望が多くなってきた。メールや手紙を頂戴するのだが、私は他社のようにリンクを歓迎することに否定的。ビジネス的なイメージが嫌いなのである。

 今月の初め、「リンクを張ればアクセス数がアップしますよ」と、態度の悪い仏具商が来社されたが、弊社のHPのアクセス数を伝えると、「大変失礼しました」とバツ悪そうに帰られた。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
携帯で下のQRコードをスキャンするか
 または
携帯に下のURLを直接入力します。
URL http://m.hitorigoto.net