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2003-05-31

台風一過    NO 446

午前と午後、2件の葬儀の司会を担当してきた。

 今日は、いつもの2件より疲れの度合いがアップ。前日に心配していた台風の問題もあったが、1件のお客様が遠方でご自宅ということが大変。帰社したスタッフ達も完全なお疲れモード。でも「やり遂げた」という表情が感じられた。

 珍しい5月のお騒がせ台風は、我が大阪にあまり影響を与えることもなく、ほっとした。

 「ほっと」で思い出したが、弊社が加盟する日本トータライフ協会の高知のメンバーである「おかざき葬儀社」さん。彼女が発信されている「ほっと一息」にも台風の心配がしたためられてあった。

 テレビや新聞を見ると、室戸岬での最大瞬間風速が30メートルを超えたとあったが、高知県では相当の影響があったようで、彼女が担当された今日の葬儀のことも心配していた。

 事務所に帰ると、その彼女からビデオテープが届いていた。中に彼女らしい感性を感じる式次第と手紙が添えられてあり、また楽しみが増える。

 最近、メンバー間のビデオ交換が流行し、各社の交流が深まっているが、文字や言葉で伝わることのない映像の世界は最高の教材。スタッフ教育にとってこんなに役立つものはないだろう。

 弊社には全国の葬儀社から様々なビデオが送られてくる。中には「講評をお願いします」というものもあるが、やはりトータライフ協会のメンバー達が担当した葬儀のレベルは高く、大いに参考にさせていただいている。

 さて、今日の午前中の葬儀で、曾孫さんからお爺ちゃんに捧げられる手紙の存在があった。かわいい封筒を開けると「ひらがな」で書かれた文字が躍っている。ビデオとナレーションの前に、女性スタッフに代読をさせたが幼いイメージがうまかった。

 「お爺ちゃん、有り難う、さようなら」

 そんな言葉がいっぱい書かれた手紙、そこに「命の伝達」という葬送の意義があるように思えてならないところ。

 午後の葬儀は明治生まれの女性。8人のお孫さんと5人の曾孫さんがおられた。
 36年前にご伴侶に先立たれ、それからの人生の寂しさはいかばかりであられたものと拝察するが、取材を担当してきた女性スタッフの添え書きに、「日本的な偉大なお母様です」と書かれてあった。

 多くの方々の葬儀を担当する。それぞれの方にそれぞれの人生があり、それぞれのナレーションを創作するが、そんな私が送られる日が、1日、1日と近付いてくることも知っておかなければならない。

 夕方、事務所に北海道からメッセージFAXが届いた。先日に迷惑を掛けてしまった協会のメンバーからだが、くすぐったくなるような文章内容で恐縮。また再会をしたいものと千歳空港でのひとときを思い出す。札幌ビールで乾杯、いや献杯しよう。
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