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2003-07-17

撮影のマナー    NO 488

世の中にカメラを趣味にされる方が多い。こんな方が親戚や友人におられると、葬儀に思わぬ問題が発生する。

 厳粛な式次第の中でウロウロされ、進行の流れを「押さえよう」とされるが、前方のサイドから宗教者を撮影されることだけはご遠慮いただきたい。

 導師が立たれ重要な儀式をつとめられる「引導」の場面。そんなところで動かれると困るのです。ひどい時にはフラッシュが光る。これは、ビデオも同じ。

 「記念に撮っているのです」とおっしゃった撮影者。「記録」と言ってくださいと教えたこともある。

 宗教に基く葬儀の場合、祭壇の中央の奥にその宗教のご本尊が存在している。このご本尊にカメラを向けることはご法度であることも認識して欲しいし、日蓮宗系などでは大問題となることを知っていただきたい。

 さて、携帯電話にカメラが装着されて問題が増えた。若い人達が祭壇の前で「記念写真」という光景が多くなった。

 「せめてセンターを外して撮影されたら」とアドバイスをする。故人のご遺影や祭壇にお尻を向ける失礼ぐらい意識して欲しい。

 一方で、弊社の進行は知的所有権に帰属する部分が多くある。前にも書いたが、これらをビデオで収録されることには大きな問題がある。それを記録され、知り合いの葬儀社さんに見せられるという事実もあった。

 真似をされることにとやかく注文をつける思いはないが、真似をされる以上、その中に秘められた意義だけは学んで欲しいし、それを伝えるだけの司会力を伴っていただきたい。

 しかし、これは不可能だろう。なぜなら具現化するまでのプロセスこそに哲学がある。その理解なくして参列者に伝わることは絶対になく、低次元な「サル真似」になってしまう筈。

 いつの世にも、どんな世界にも偽者と本物が存在するもの。その差異を判断されるのは体感者だが、騙される方はどんなことでも騙され易いというのも世の常。

 弊社の描くシナリオは「人生ドラマ」。これらは決して写真のような平面で感じられる世界ではない。せめてビデオで収録されることを提案申し上げるが、知的財産という社会の常識を理解される感性のある人に撮影されいもの。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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