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2003-08-09

家の中で避難    NO 510

台風が四国に上陸し、京阪神を通過して行った。

 弊社が加盟する日本トータライフ協会の高知や神戸のメンバーが、通夜と葬儀で大変な苦労を強いられたそうだが、弊社も昨日の葬儀から警戒態勢を組んでいた。

 大阪市内で最も大きな霊園斎場、その中の式場で大規模な無宗教形式による「告別献花式」が行われた。

 周りに建物はなく、強風が吹けばテントが確実に飛ばされてしまう。参列者に事故の発生があれば大変。そこで、通常の3倍の重さがある鉄ブロックでガードし、風速20メートルになれば5分以内に撤去するという人海戦術を考えていた。

 私の司会台にパソコンをセッティングし、気象庁発表の台風情報を常に把握しながら、式場の外を担当するスタッフと頻繁にやりとりをすることになった。

 葬儀の始まる20分ほど前、「現在、ご会葬者は、約200名様です」という情報がインカムから入ったが、これらは通常の業務通信。

 「現在、木立が揺れています。瞬間での強風は、15メートルぐらいでしょうか」

 それは、そのスタッフの「勘」のレベルではあるが、外の変化だけは伝わってくる。

 最寄の駅からバス2台によるピストン運転。次々に参列者が到着される。

 パソコン画面に出たネットの台風情報で<夕方まで大丈夫>との確信に至った時、司会進行に集中出来る「心の環境」が整った。

 そこで、その時間帯の台風情報をアナウンスする。気象予報士の資格はないが、大阪での影響が深夜であることを付け加えると、参列者に落ち着かれた雰囲気が生まれた。

  故人の意思による無宗教形式。その旨は、喪主さんの謝辞で紹介された。遺族、親戚さんより参列者の献花を優先申し上げる。こんな異例な式次第も台風が及ぼ した影響だが、故人と台風が被さり、襲来しつつある台風は、皆さんにとって何とも忘れ得ぬ夏の風物詩となったような気がする。

 さて、夕刻に事務所に戻る。私のスケジュールボードを見ると、夜にパーティーがあることに気付いた。

 机の上にメモが置かれ、「夕方、祝辞をお願いしますと電話がありました」とある。急いで自宅に帰り、着替えて会場に向かったが、このパーティーで面白いことを学んだので明日にでも書いてみたい。

 深夜から風が強くなってきた。私の家は、欠陥住宅。風が吹くと揺れるのである。2階、3階と上に行くほどひどいのは当たり前。こんな日は、2匹いる飼い猫がいつも1階に避難してくる。

 そこで、私も1階の和室で過ごすことにし、この原稿を打ち込んでいるが、水害となれば大変である。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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