2007-10-27

テーマを与えて?  NO 2016


 昨日、車で300キロの走行をして夜の大阪に戻っていた。日付が変わってこの「独り言」を発信してからメールを開くと、ある女性司会者からの研修要望が。そこで幸いに空いていた時間に来社をと深夜に返信。そして、今日は、風変わりな研修講義を行った。

  女性の葬儀司会者が成長すると、誰もが悩みを抱く疑問が生じることになってしまうもの。派遣先の葬儀社が「高レベル」を求めず、司会なんて「宗教者を怒ら せなかったらよい」という葬儀社の考え方の壁にぶつかってしまうからであり、ここでも昨日に書いた「優先順位」という問題がオープン化するのである。

<ご 遺族の悲しみを和らげる言葉は?>なんて発想を全く必要としない葬儀社が大半というのが現実。そこであるレベルに達した司会者達が、そんな葬儀社の仕事を 敬遠することになってしまい、これまで、そんな司会者の悩みを慰め「立派な仕事だよ。もっと上を目指せ!」と、何人の人達を励まして来たのだろうかと数え ると自分でも驚く数字となるので寂しくなるし、この業界が一部を除いて一向に進歩しない現実に悲しい思いを抱いている。

 彼女もそんな一 人であった。プロのアナウンサーとして輝く歴史もあるが、秘められたパワーを発揮させることの出来ない業界の現実に苦しみ、やがて不思議な「ご仏縁」から 私との交流が始まったのだが、私の身体の苦痛に対し、彼女のご主人が与えてくださった言葉で表現不可能な「気」のパワーによって「元気」をいただき、その 「お返し」としての熱い感謝の思いだけではなく、彼女が培われてきた実力の開花の場を何とか与えてあげたいと感じているところである。

  技術を伝授するには、そこに至るまでのプロセスを理解させることが何より重要で、今日は、これまでに私が体験してきた苦労話を交え、葬祭業界にあっての司 会、ナレーション、演出音楽についてを中心に講義を行ったが、彼女が最も感銘して実践したいと感じられたのは「人生の卒業式での表彰の儀」のこと。それを ご導師にお願いをして実際に行ったバージョンを体験されたら「それこそ、葬儀の意義!」というような賛同の言葉。それは、<この人なら教える価値観があ る!>と思った瞬間であった。

 そんな研修中、東京や名古屋からの電話が入って何度か中断をしたが、次回に来社される際、きっと意識改革の結果を如実に感じさせてくれるだろうと期待したいところである。

 さて、昨日に書いた「優先順位」の中の「地域役員の利益」だが、この「独り言」をご笑覧くださった数名の方からメールやお電話でのご質問を頂戴し、それが「葬儀社斡旋によるリベートの授受」であることを伝えると皆さんが衝撃を受けられたよう。

「ご 遺族のために!」という発想は一切なく、自分にリベートを与えてくれる葬儀社を紹介する地域や自治会の役員達の存在、それは、葬儀を終えてからの二重の悲 しみだけではなく、ずっと消えることのないご遺族の後悔となる悲しくて現実であり、その町の中で飛び交う噂が寂しさを物語っている。

 今日も、そんな問題をぶつけられた方がおられたが、私は、「あなたにも責任がありますよ」と冷たく返した。なぜなら、大切な方の大切な儀式に大金を費やされるのに、後悔をするような業者を選んでしまったことに責任があると伝えたいから。

社会とは、葬儀という非日常的なことに関して、あまりにも無知な状況にお気の毒な思いを抱き、賢者の選択をされることを祈って止まないこの2日間となった。

 明日は、遠方へ出張である。どうも台風の影響で東へ向かうと天候が悪そうだ。自然の織り成す「好天」「荒天」は仕方がないが、物事の「高点」に対する「好転」を願って行動しようと考えている。
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