2007-12-15

どうしてこんなことが!  NO 2064


 銭湯の最終客、一日の反省をしながら「真珠エキス」の湯で温まってきた。

 夕方、ナレーションのMD収録。音楽とアナウンスのバランス調整テストで時間を要したが、本番では一回でOKとなった。

 発声というものは、健康でなければ「おかしな声」となってしまう。特に日常生活の中で歩くことが大切。ちょっと横着してサボると間違いなく証拠として刻まれてしまう。

 そんなところから録音システムのある本社まで歩いたが、しばらく「ハアハア」となって休憩時間が必要だった。

 さて、佐世保で発生した事件をテレビで知り驚愕。いつ誰が災難に遭遇するか不明な恐ろしさを実感。被害者ご本人やご家族の皆様の怒りの心を拝察申し上げながら、早く犯人逮捕につながることを願い、ただ手を合わせるしかないのかと腹立たしくて無念な思い。

 犯人は「人」である。この世に生を享けた時、少なくとも母親の大きな喜びの胸に抱かれていた筈。幼児から小学生となり、やがて大人になる過程には多くの人達との出会いもあっただろうが、何の因果でこんな犯罪を犯してしまったのだろうかと、人の世の悲しさを恨む。

被害者の「家族」が突然「遺族」になり、その瞬間から完全に時間が止まってしまう。何れ犯人が誰か判明して重罰を受けようが、また自殺をしてしまったとしても絶対に消えることない心の傷を負い、生涯それらを背負って苛まれることになってしまう。

 今回の事件では銃撃する犯人の姿を多くの子供達が目撃していたようだが、衝撃となった光景が、ずっとメンタルな病として引き摺られる現実も悲しいことで、専門家達のフォローも大切である。

 NHKで石原祐次郎さんの特集番組を観た。懐かしい彼の姿を目にしながら独特の歌声を懐かしく聴いたが、上述の「時間が止まる」と同じ体感があったので紹介をしよう。

 彼は52歳でこの世を去り、多くのファンが別れを惜しんだが、考えてみれば私は現在60歳、彼の年代を越えているのである。

 映像では、私が高校生時代に流行していた歌が数曲あったが、彼の映像を目にする私は、不思議とその時代に瞬間移動してしまっていることに気付き、エンディング前の「52歳」という文字にハッとした。

 彼がスキーで骨折をした出来事があったが、そのスキー場は志賀高原の発哺温泉にある
「ブナ平」ゲレンデ。そこは初心者向きの緩やかなコースだが、確か女性とぶつかって複雑骨折をしてしまったと記憶している。

 その「ブナ平」は、私の青春時代の思い出がいっぱいあるスキー場で、2人の子供がそれぞれ入園、入学した頃に連れて行った場所。宿泊したのは「岩菅ホテル」だった筈である。

 石原裕次郎さんの命を奪ったのは「ガン」だったが、その随分前に大手術を受けていた。病名は大動脈瘤乖離(かいり)で、心臓に近いところに存在していたところから成功率3パーセントという難手術だった。

 乖離とは三重構造になっている血管が内側からとけ、血液が滲み出てくる病気で、高血圧、喫煙、飲酒などを原因とする動脈硬化が引き起こす生活習慣病で、血圧を上げないように「塩分」控え目という食事が大切だ。

 彼の歌で昭和40年にヒットした「粋な別れ」という曲がある。確か冒頭の歌詞は「命に限りがある」だった筈だが、今年担当のある葬儀で、喪主を務められた奥様から「主人は、カラオケでいつも歌っていました」とCDを託され、この曲を流したという出来事もあった。

祐次郎の大ファンだったというご主人、壮絶な闘病生活の中、病室で毎日この曲を流されていたそうだが、それは、愛する奥様への特別なメッセージだったように思えてならない私だった。
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