覚悟して通過を祈っていた台風だが、大阪の地を暴風圏内に巻き込みながらもその影響は軽微で、強い雨も風もなくてホッとした。

　高知県や紀伊半島の山沿いでは記録的な豪雨となったが、何より自転車並みのゆっくりとした速度が齎したことのようだ。

　国会が前にも増して荒れている。菅総理のややこしい団体への献金問題に揺れているものだが、鳩山前総理との寄付行為に対し、一般人のブログでブッシュ前大統領とオバマ大統領がアルカイダに寄付したようなものと鋭く揶揄していたのには言い得ていると思った次第。

　そのオバマ大統領だが、核兵器の減少を世界発信する裏側で臨海前核実験を２回行っていたとは腹立たしい限り。その背景には軍需産業へのパフォーマンスがあったようだ。

　 米ソの冷戦時代、ソ連が製造した多くの原子力潜水艦が不要となり、他国の力添えで解体する事態に陥ったが、取り外した原子炉を密封して保管し、１００年後 に改めて処理をしなければならない事実に衝撃を受けたと共に、世界に点在する原子力発電所の将来を危惧する思いである。

　福島原発で避難を強いられている多くの方々がおられるし、収束のために発電所で命を懸けて対峙している作業員の存在もあることを忘れてはならないが、孫や曾孫などの将来に甚大な影響を及ぼす核問題とは正しくパンドラの箱という恐ろしさがあるものだ。

　政府が隠している。東電をはじめとして全ての電力会社が秘密にしているようだ。そんなことが国民の中で当たり前の会話となっている現実があるが、「直ちに身体に影響のある値ではありません」という不思議な日本語が理解できない私である。

　我が大阪の知事と市長の舌戦がエスカレートしつつあり、両者がそれぞれの対場を入れ替えての立候補という話題まで至っている。

　 一般的な観点からすれば、知事はガキ大将がそのまま大人になったタイプと言われ、市長の方が大人だとの声が多いが、私個人としては知事の都構想は別とし て、カジノ構想には大反対。いくら府民の税金が安くなるとしても、賭け事とは人間の裏面に竦む悪世界のこと。やりたい人は「自費」でマカオやラスベガスへ 行けばよく、首長は民への「慈悲」を重視しなければならないと考えたい。

　知事の人間性については有名な秘話がある。彼が弁護士として活 動を始めた頃、消費者金融での被害者救済の一員として名を連ねていたのに、いつの間にか相手側の大手金融会社の顧問に就任し、それを知った被害者組織の役 員が電話で確認すると、「そういことになりました。私の名前を消しておいてください」と言ったのだから凄いではないか。

　人生にある程度 のお金は必要だろうが、心の貧しさは人物評価に欠かせないもの。そんな人物だからこそカジノ構想につながるのかもしれないが、他人から指される行動だけは 慎みたいもの。人生とは反省で済むなら許容の範囲だが、「後悔」が「公開」されたら世間を狭くすることを知って欲しい。