2003-05-23

こんな犯罪も     NO 438

最近、空き巣事件が多発している。様々なテクニックを持った空き巣のプロ達、その犯行がいよいよエスカレートしているそうだ。

 近所でも数件の被害があったそうで、本当に物騒な世の中になってしまっている。

 さて、我々葬祭業に従事する者が心掛けておかなければならないことがある。

 葬儀のご依頼で参上し、打ち合わせが行なわれ通夜と葬儀の日時が決定される。そこで入り口に「忌中」の張り紙とスケジュールを告知したものが掲示される。

 驚く事実があるのは、この掲示板が空き巣犯罪のターゲットになる危険性が高いということである。

 それらは通夜と葬儀の日の「留守」の時間を知らせていることにもなり、空き巣達の目に留まれば「しめしめ」となってしまうことになる。

 その上に近所の方々が手伝いや会葬に行かれることがあり、空き巣にとっては格好の環境になるだろう。

 一方で、お寺、地域の会館、葬祭式場などでの盗難も増えている。犯罪者が礼服を身につけていたら絶対に区別は不可能。

 彼らは、時に親戚に見え、葬儀委員にも見え、葬儀社のスタッフのように振舞う役者振りも見せているとのこと。

 ある知能犯が犯した事件の話を耳にしたことがある。葬儀の始まる15分ほど前、その人物が突然に受付にやって来て、次のように言った。

 「葬儀委員の皆様、昨日のお通夜から大変お世話になり誠に有り難うございます。亡き叔父に代わりまして心からお礼を申し上げます。実は、私、親戚達との話で、親戚関係の香典の整理を担当することになりました」

 彼は、その前に葬儀社のスタッフに「香典帳を1冊くれ」と言って入手し、それを手に受付に行ったのだから疑われることはなかった。

 そして、葬儀が終わった時、葬儀社スタッフに持って来させた「手提げ袋」を手に、「皆様、お世話様でした」と言って消えてしまったそうだ。

 被害に遭った香典の額は数十万円。それらが発覚したのは、お骨が自宅に還られ、葬儀委員から遺族に会計収支の引渡しがされた時だった。何と罰当たりな人物。

 世の中、どこで被害に巻き込まれるかも知れないが、悲しみの儀式の場でそんな犯罪が行われるなんて絶対に許せない。皆さんと共に被害に遭遇しないように防御するのもサービスとなっているのです。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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