2015-04-20

時間の停止  NO 4166

韓国で発生したフェリー転覆事故から1年が経ち、追悼式に参列した遺族と警備を担当していた警察官との対立も生じていた。

一方でJRの福知山線の大事故から10年目を迎えるが、風化を感じる遺族が8割もおられるそうで、「家族」が突然亡くなってしまって「遺族」と呼ばれるようになった悲嘆の心境は想像以上のもので、あの瞬間から時間が停止してしまっていることになる。

JRの三代の社長を告訴している事実もあるが、悲嘆の中で「怒り」をぶつける対象になったのは誰もが理解出来ることである。

突然の噴火で多くの犠牲者が出た御嶽山の被害者遺族が「遺族の会」を結成したニュースもあった。同じ悲嘆の思いを共有する人達が集うことは少しでも悲しみを癒すことになるだろうし、願うは同じような出来事が起きないようにということである。

10年前の福知山線事故の発生後に書いた「独り言」の内容を憶えている。慰霊式が企画されるだろうが絶対に加害者側であるJR」が発起人となるなということで、第三者か遺族側が主催されるべきと書いていた筈である。

多くの悲しい葬儀を担当して来た歴史があるが、そこで学んだことに絶対に加害者側から依頼されて葬儀を担当するなということで、被害者側の立場で寄り添う葬儀でなければ遺族の思いが「かたち」にならないという結論であった。

航空機事故で航空会社から依頼されたり、事故を起こしたタクシー会社が遺族側から「最高の葬儀社に依頼せよ」と言われても、弊社の場合は「お断り」の姿勢を返し、遺族側に「断られました。遺族側からしか受けないそうです」と伝えるようにアドバイス申し上げ、実際に遺族側から改めて依頼があった体験もしている。

多くの犠牲者が出た不幸の発生には気を付けなければならないことが幾つかあるが、中でも基本的な問題として安置所に届ける「柩」を同じ物にする配慮することで、「どうしてあちらは立派なの!?」と指摘されたら最悪となる。

忘れてならないのが勝手な思い込みで宗教を考慮しないと大変なことになる。外国で事故が発生した航空会社の場合、例えば我が国なら「お寺さん」「神主さん」「牧師さんや神父さん」を伴う必要もあるし、現地で「焼香」「玉串奉献」「献花」が出来る準備を必要である。

ここでちょっとした知恵を書いておこう。神父さんと牧師さんという呼称はカソリックとプロテスタントで異なる背景があり、社員に伝える場合に「プロボクシング」と教えている。つまり「プロテスタントなら牧師さん」となる訳である。

神道で常識となっている「右剣左鏡」という問題があるが、結構誤っていることも少なくない。右近の橘、左近の桜というように対象となる建物側から見たことで決められている物であり、つまり祀られる側からの左右で柏手を打つ参拝者側から見たものではないので誤解されないように。

右近の橘、左近の桜の元は平安京の紫宸殿からと知られているが、平安神宮内でも見られるし、お雛さんの飾りでも定着している。

今日の写真は瀞八丁のジェット船が途中で立ち寄る川原の上にある「瀞ホテル」で、築100年以上の歴史ある存在である。
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