2012-11-30

九拝合掌  NO 3115"


 我が家には宗教の勧誘に来られることが多い。葬儀屋とは表記していないので分からないものと想像するが、それにしても不思議と多く、今日は「エホバの証人」の方が来られていた。

 郵便物にも宗教関係の物が多く、各宗派の新聞や雑誌も届くし講演会のご案内をいただくことも少なくない。

 今日、深いご仏縁に結ばれるお寺様から「写経とお念仏会」のご案内を頂戴したが、その冒頭の部分に心を惹かれたので下記させていただこう。

『それ朝(あした)に開くる栄花は夕べに散りやすく、夕べに結ぶ命露(めいろ)は朝の日に消え易し』

『法 然上人のご法語に示されている人生の「無常迅速」を説かれた一文です。平成24年も余すところ1ヶ月となりましたが、この1年を振り返ると、無常儚さを感 じる今日この頃です。法然上人は「無常なることを思い、この世のいくばくなきことを知りなさい」と、お教えです。お念仏こそが人生の指針となる行です。新 たな年を迎えるにあたり、お念仏相続してまいりましょう』

 そんな文章で写経、法話、別時念仏のご案内があったが、手を合わせる人の姿は美しいものであると常々思っているところから、どんな宗教でもグローバルに学ばせていただき、何事にも感謝する人生でありたいと願っている。

 人生や考え方に大きな変化を与えてくれるのは「人」との出会いだが、私にとっては10数年前に聞いたある出来事から「借り」を作るのではなく「貸し」を作る人生でありたいと思うようになった歴史がある。

 この話はこれまでに何度か紹介したことがあるが、過日に北海道旅行で知り合った二人の方に話すと「感銘を受けました」と言ってくれたのでもう一度書いておこう。

 ある年の晦日のこと、不思議な「えにし」から交流が始まった音響、照明会社の社長と二人で食事に行った。

 彼は、関西空港の避難訓練や大阪市の地下鉄開通式などの音響を担当する技術を有する経営者だが、ベンチャーズの日本公演の際に音響と照明を担当した際、想像もしなかったハプニングが発生してしまったのである。

 プログラムでは3曲を残すだけという場面だったそうだが、演奏者達の表情に異変が見られ、彼は、それがモニターに問題発生と瞬時に判断したそうだ。

 しかしベンチャーズは何事ともなかったように演奏を続け、やがてアンコールにも応えてステージを終えた。

 彼は、頭の中が真っ白な状態で何とか謝罪をしなければと楽屋に行き、通訳の方を通して平身低頭の姿勢を見せたら、リーダーの人物が次のように言われたのである。

「君が謝る必要はないよ。機材が謝ればよい問題だよ」

 昔からギターを弾くこともあったのでベンチャーズの曲は大好きだったが、この話を聞いてから彼らの大ファンになり、そこにプロらしい美学を見出したようにも感じた。

  その後、大事件となる2回の医療ミスの被害者となった私だが、それらを宿命として受け止めることが出来たし、招待された東京のホテルのスイートルームのバ スルームで、ひょっとしたら死んでいたかもしれないハプニングの発生や、数年前、千歳空港から伊丹空港に戻った際、孫達への土産として購入した「じゃが ポックル」6箱が、客席上のケースに溜まっていた水で濡れてしまった際にも立腹せず、原因究明だけで穏便に済ませた出来事につながっている。

 こんなことを書いても何方も信じられないかもしれませんが、ちょっと考え方を変えるだけで人生も大きく変化するのも確かです。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
携帯で下のQRコードをスキャンするか
 または
携帯に下のURLを直接入力します。
URL http://m.hitorigoto.net