2011-10-16

学んだこと  NO 2724


 深夜の病院へのお迎えが重なっていたよう。スタッフの安全運転無事故を心から願う毎日だが、ずっと重なってしまうと休日が取れなくなるので気の毒である。

 と言っても、打ち合わせを担当したスタッフがお通夜や葬儀当日に担当から外れ、顔を見せないなんてお客様に不安を抱かせてしまう。故に、我が葬祭業界では分業システムが不評を呼ぶのである。

 秋本番となり、日が落ちるのも早くなった。ご自宅やお寺が式場の場合には、入り口に立てる提灯の灯りも早くから点灯しなければならず、日の長い頃に比べれば90分以上の差異があることになるだろう。

 最近では葬儀専門式場のご利用がが多く、そんな問題もなくなったが、お通夜を迎える準備態勢を早くから整えておかなければならないのは当然である。

 弊社の西館をご利用されるお客様で、提携している銭湯のご利用が好評のようだ。源ヶ橋温泉、南生野温泉のどちらも歩いて1分という便利さもあるだろうが、入浴セットやお飲み物セットのサービスが喜ばれているみたいである。

 銭湯に行かれたことのない地方の方々には抵抗があるかもしれないが、そんな方々がご遺族とご一緒にご利用になると、銭湯ってよいものだというご体験をされるようで結構なことである。

 何よりリラックス出来ることが素晴らしく、自宅の狭いお風呂に比べて開放感があり、温まり方もアップするようで、寝つきがよくて楽になったというお言葉を耳にすると嬉しくなる。

 そんな銭湯で困ったことが一つ、私が行く時間帯にお客様と重なるからで、お通夜当日に銭湯に行き、次の日の葬儀当日に式場に行くと、「昨日、銭湯で会いましたね」なんて会話になるからだ。

 そこで最近では少し早めに行くようになったが、やはり就寝前に温まるのが最善のようで、さてどうするべきかと迷っている。

 私も孫を持って初めて体験したことだが、孫と共に銭湯に行くことは、葬儀という不幸の中で少しでも「不幸でないひととき」が過ごせるもの。そんなご体験をされたお爺ちゃんやお婆ちゃん方が「よい思い出になった」と仰ることに喜んでいる。

 想像もしていなかった病気に見舞われた私だが、自分で食事が出来、着替えのボタンを留めることも出来、銭湯でタオルを絞れることがどれほど幸せなことかを身を以って体感。幸せとは、すぐ身近にあって小さな仕草が出来るだけでも凄いことだと思うこの頃だ。

 退院当時、風呂に入ったら左半身が水風呂に入っているように感じたが、最近では少し慣れたみたいで、温めの湯なら抵抗なく入れるようになったので嬉しく思っている。

 体験したことで分かったことだが、こんな恐ろしい病気は患わないようにしたいもの。ある瞬間から手足をはじめとする身体の機能が麻痺するのだから考えられないこと。よく寝たきりにならなかったものだと、いつも手を合わせて歩いている。

 就寝前に天井を見つめて一日に感謝し、朝に目覚めて一日の始まりに感謝する日々。そんな悟りみたいな境地を病気が教えてくれたような気がしている。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
携帯で下のQRコードをスキャンするか
 または
携帯に下のURLを直接入力します。
URL http://m.hitorigoto.net