2011-10-01

思い出から2  NO 2710


 昨号の「思い出から」に続いてだが、子供達が幼かった頃、鹿児島県の林田温泉に泊まったことがあった。当時は九州自動車の工事が始まった頃。熊本県の人吉の近くにあったループ橋からえびの高原に抜ける道路が大変な難所だった。

 中学校時代、抜群に成績の良かったSという同級生がいた。彼は大阪大学からアメリカへ留学。専門は都市工学と土木建築で、帰国してからずっと近況を知らせる葉書を送ってくれていた。

 今は「いわさきホテル」に変わってしまっている林田温泉だが、泊まった時に思い出したのが彼の存在。九州自動車の工事で近くに居ることから会いに行くことにしたのである。

 彼が居た現場は、ホテルから車で15分ほどの所。半信半疑で尋ねてみたら、どろんこ道の先にあったプレハブから懐かしい顔が出てきた。

 彼から耳にした工事の話にびっくり。前述のループ橋の工事にも携わり、ここでは道路公団から現場監督として赴任しているとのことだった。

その後、彼は四国の高速道路の責任者としても活躍。その後公団の役員から関連会社のトップとして天下りみたいな立場になったが、最終的には誰もが知る会社のトップとして引退するに至った。

 西日本の高速道路や橋梁の大半に関係していた彼、いつも走行する度に彼のことを思い出していたが、一度食事でもしながら昔話をしたいと思っている。

 一方で、ユニークなホテルとして思い出すのは霧島ホテル。食事どころであるガラス張りの杉パレスに印象深い仕掛けがあった。立派な杉並木の中に餌場が設けられ、タヌキやイノシシの親子連れが登場するからだ。

 ここの大浴場もユニークだったが、やはり夕食時に動物達の自然の営みが見られるのは面白く、どの家屋連れも、食事よりそっちの方に気が取られる光景が楽しかった。

 数号前に触れた玉名温泉だが、30数年前、今はもうなくなっている玉栄館とい旅館で驚いたことがあった。大浴場の中に入ったら混浴で、女湯から入った娘達と湯煙の中で会ったからだ。

 東北や北海道には混浴という旅館が少なくないが、確認してから入らないと恥ずかしい体験をするので気をつけたいもの。

 ある旅館での始まった夕食時のこと。挨拶に来られた女将さんから体験談や感想を聞かれ、最後に出される「御飯」に凝っているところが多いが、炊き上がった御飯に勝るものなしと答えたら、しばらくすると小さなお釜を持ち込まれ、ご飯を炊いてくれたことには感動した。

 サービスの世界にあっては一方通行的な勘違いも少なくない。炊き込み御飯や山菜御飯、また今の季節なら松茸御飯が多いだろうが、キノコ類全滅の私にとって、やはり炊き立ての真っ白な御飯が最高だ。

 昨日だっただろうか、テレビの番組の中で「御飯の美味しい炊き方」というのがあった。お米を買ってきたら冷蔵庫で冷やしておいたり、お米の洗い方から炊き方だけではなく、美味しい「おにぎり」の作り方まで目からウロコの知らないことばかりだった。

  すべてを書くと大変なので、びっくりした「おにぎり」の作り方だけしたためておこう。御飯を手で丸めるのではなく、適当にお茶碗に入れ、同じ大きさのお茶 碗を被せてシェーカーのように振るだけである。こうすると、御飯が潰れることなくふわっとした感触の「おにぎり」となり、冷たくなってもそのまま美味しい というのだから驚きであった。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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