2010-12-03

強風の日に  NO 2648


 昨日、MRI検査を受けてきた。結果は今年の2月の状態と変わらず「全く問題ない」という専門医のお言葉に安堵したし、いつもお世話くださる医院の先生から依頼された画像のCDもいただいてきた。

 夜、住吉区の同業者のお通夜に弔問。大阪市内の歴史ある5社が交流を目的として結成した「5人会」のメンバーで、奥様がご逝去されたものだが、ご本人が体調不良で姿が見えず、喪主を務められた息子さんの謝辞で現在の様子を知った。

 彼は、関西の演芸協会の重職にあり芸能人との交流も多く、何度か有名人と一緒に誘われて食事やサウナに行ったこともあったが、今は懐かしい思い出として残っている。

 さて、先月の初めに友人が突然に亡くなってしまった。当日の朝に会ったのに、夜に奥様から訃報の電話に衝撃。お通夜で弔問に行ったら奥様から「あなたの言葉で送って」と涙声で訴えられ、喪主様のご謝辞の後にマイクを手にする運びとなった。

 退院してからマイクを持つのは初めて。少しは声の回復も感じてはいるが、やはりプロとしては持ちたくない思いもあった。しかし、これは私の試練であるとの覚悟の決断に至った。

彼の人生を思いながら、当日に喋ったことを生きた証としてここに記しておく。

  Tさんには大変お世話になりました。口元を汚すとさりげなくティッシュを出してくれたり、私の日常に着用している作務衣の裾が上がっていると下ろしてくだ さるようなやさしい心配りの出来る人でした。最近「謎かけ」が流行していますが、ふと考えましたのが「Tさんのお人柄とかけて鹿児島県指宿温泉の砂蒸し風 呂と解く。その心は表ポカポカ、中は信じられないほど温かい」

 仏教に「供養」という言葉がありますが、皆様がTさんのことを忘れないよ うにしっかりと思い浮かべてくださることが何よりの供養となるでしょうが、Tさんのお立場から拝察いたしますと、今や「ご遺族」となられた「ご家族」のこ とをしっかりとフォローくださることが最高の供養と考えられないでしょうか。

 ある高僧から教えられたお言葉が印象に残っています。「人 は、2回の死を迎える。1回目はお通夜と葬儀を行う死。2回目は、Tさんをご存知の最後のお一人がこの世を去られる時。それまで、Tさんは皆様と私の心の 中で生きておられるのです。結びになりますが、「木枯らしの訪れ早き仏かな」、そんな俳句を思い浮かべながら葬送の言葉とさせていただきます。

  すぐ前にご遺族が座っておられる。涙を流される奥様の表情に物悲しい美しさを感じる。弔問者の中にメモを取っていた人もあったし、友人仲間から「有り難 う」と感謝の言葉を掛けられたこともあったが、Tさんがあまりにも早く逝かれてしまった寂しさが募る。その出会いに九拝合掌。

 今晩は知人のお通夜に参列する。冒頭に書いた病院に夫婦で行っている間に、拙宅にご家族が葬儀のご依頼に来てくださったそうで恐縮。ご導師は特別なご仏縁のあるお方。また、明日のお通夜のお寺様は特別な格式のあるお方。さてどうしようかと思案中。

 昨日の深夜に和歌山、大阪、兵庫に竜巻注意報が発令された。今、この独り言を打ち込んでいる最中にも外では強風が吹き荒れている。もしも地域会館での葬儀ならテントが吹き飛ばされる恐れがある。幸い弊社の式場なのでホッとしている。
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