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2002-08-30

ホテル葬に思う     NO 180

ホテルでの偲ぶ会、お別れ会、社葬が凄い勢いで増えて来ているが、そのすべてと言っていいほどが無宗教形式であり、宗教者に問題提起していたことが現実化しつつある。

一方で、参列体験をされた方が増えると、必然として変化を生じるのが世の常。「これはビジネスになる」と、安易な発想で取り組まれたホテルでの問題も多く発生している。

本質の見えないホテル経営者や担当ホテルマン達には、この部分の危機感に全く気付いておられないようだ。

  北海道のメンバーが発信している「めもりある トピックス」の今日の号に記載されていたが、<料理と接待はホテルがプロ。ホテル空間のイメージに合う祭壇 を我々業者に依頼するという勝手な構図。彼らが描くそんな低次元サービスのシステム構築は、奥行きの広さを知った時の恐怖が衝撃的>で、過去に担当したお 客様に申し訳がないという後悔にまで陥ることになる。

 九州で昨日に行なわれた新しい形式での社葬。もしも、この参列者の中にホテル関係 者や葬祭業者が存在していたらどう感じただろうか。自分達が不可能なことを見ると「批判で逃げてしまう業態」は不変だが、一般参列者の皆さんの表情や感想 の言葉を耳にすることになれば、衝撃よりもスタートしなければならないという意識改革には至った筈である。

 弊社は、今、超一流ホテルからのプロデュース招聘を受けているが、要望を拝聴する中での共通点として、お客様のご満足を重視されている姿勢があり、その上にグレードの高いホテルサービスが認知され、本来のサービス提供ビジネスになればとの思いが伝わってくる。

 ステータスを放棄したホテルサービスは、凋落の道を進むことになり、その将来が「必ず崩壊」という図式の上を走っている。

  ホテルには会場空間という「器」があり、それは様々な関連機能との連携で葬祭ビジネスの大きな武器となるが、「料理」と「人のサービス」は当たり前のこ と。当たり前のことを「売り」のしているようでは「お先は暗闇」。お客様が選択する時代と言われている葬祭業界にあって、ないものを創るサービスの構築、 ここに将来のホスピタリティサービスの生き残る道があると確信している。

 超一流のホテルがそこに気付いている。一流ホテルが気付かない。両者と関係している私には、これらのことが誰よりも感じるところであり、「超」の文字の重みと魅力を体感している。

「こんな葬儀、見たことがない」 
我々が担当すると、そんなお言葉を多く頂戴するが、「これなら納得だ」という賛同の言葉が続く現実は、我々協会のメンバー全員が確信している現実でもある。 

 21世紀の葬祭業界、そこには確かにホテルの存在もある。しかし、本質を大切に考え、参列者を含めた総合的なプロデュースパワーを理解しなければ、その将来はないだろう。

 安易なパックシステムを売り出してしまったホテルブライダルの道。その同じ徹を踏まない知恵だけはお持ちいただきたいと願っている。
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