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2003-09-17

追憶ビデオと人生表現    NO 549

通夜に出掛ける前、有名なホテルのバンケット責任者から電話があり、「明日に何とかアポを」と懇願されたが、明日のスケジュールは大変な状況。とにかく用件をと15分ぐらい話すことになった。

 丁重な言葉遣い。恐縮しながら拝聴していたが、それは、弊社にとって難しい問題。アドバイスをしながら、その方の苦悩が痛いほど伝わってくる。

 数日後にホテルで「偲ぶ会」を受けておられるとのこと。打ち合わせの時、故人を偲ぶ追憶ビデオの制作を依頼され、出入り業者である映像会社が創作し、確認のためにお客様に届けたところ、「こんなのじゃない」と言われ、やりなおしということになったそうだ。

 「ナレーションは、生で語ってくれるの? 取材がまだだけど、今から間に合うの? BGMもイメージが違うし」

 そんなやりとりがあり、改めてご要望を伺ってみると、別のホテルの法要で体験されたビデオと全く異なることが分かり、ホテルに尋ねる訳にもいかず、その法要の施主さんに確認されることになった。

 そこで分かったこと、それは、ビデオに「人生物語」のナレーションが入っていたこと。BGMだけのビデオでは納得をされず、ビデオケースに印字された制作会社を確認されたら、そこに弊社の社名があったという。

 「お願いした時、『当ホテルでも制作可能です』とおっしゃったでしょう。だからお願いしたのに」

 そんなお客様のクレームに返す言葉がなく、止むを得ず弊社に制作依頼がきたのである。

 残念だが、この依頼に対応することは不可能なこと。弊社はビデオ制作会社ではないし、それで売り上げを求める考えもなく、これは、弊社をご指名いただいたお客様にだけ提供するオリジナルサービス。

 今回も「体感に勝るものなし」という実例になるが、ホテルの担当者さんの落胆振りが伝わり、心から気の毒だと同情している。

 ここで、お考えいただきたい。ご遺族から人生を拝聴し、一枚一枚の写真の思い出話を伺いながら取材をする。それを起草してビデオ映像の秒数に合わせてナレーションを吹き込む。ナレーターは男性、女性のコンビバージョン。そんなビデオが取材終了から約2時間で完成する。
 
 それは、弊社のオリジナルであり、他社に出来ないから「ソフト」と呼ばれるもの。

  原稿創作費、映像制作費、ナレーターのギャランティ、BGMの著作権使用料、録音スタジオ使用料など、外注したらそれこそ大変な負担が強いられる。それが 弊社内ですべてが可能だから信じられない価格となるが、私は、価格の競争なんて一切考えておらず、完成度の付加価値とスピードにすべてがあると思ってい る。

 午後の3時に資料があれば、その日の通夜に放映が可能。このシステム構築には、様々な分野のプロのバックアップがあり、心から感謝している。

 最近、多くの映像会社が、フォトビデオのビジネス展開をされているが、ナレーションが挿入されている場合、その大半が「虫食い」バージョン。故人名と死亡の日時だけを吹き込み、後はすべて同じ内容。

 少しグレードアップされたものでも、季節言葉の異なりや男性向けと女性向け。一段上質で60代や70代という年齢対応形式。弊社のビデオとは格段の差がある。

 「追憶ビデオをお願いします」と依頼され、「かしこまりました」と受注されると、解決の難しいクレームが発生するという典型的な事例となろうが、その被害者にはなりたくないと研鑽を続けている。 
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