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2003-10-11

無  題     NO 572

時間というものは、すべての人間に平等に与えられている。

 地球の自転という宇宙の神秘によって、夜のところや朝のところ、また昼を迎えているところもあるが、世界中で平等に時間が流れている。

 食事中の人、親子喧嘩や夫婦喧嘩、謝罪している人、怒りをぶつけている人、人に騙されようとしている人と騙そうとしている人、また、加害者と被害者関係に発展しようとする犯罪や、喜びを分かち合う人もあれば悲しんでいる人もいるだろう。

 一方で、恋人と愛し合う人もあれば、戦争を企て、多くの人々を苦しめようとする愚かな行為に走る人もあるだろう。

 そんな中、衆議院が解散となり、来月の選挙に向けて社会が騒がしくなっている。

 「おらが国さの先生は」だとか、「地元のために働きます」というような狭い考えが未だに語り継がれている状況では、いつまで経っても「不幸」が消え去ることはないと断言する。

 しかし、宇宙の神秘や人間の生命の根源を熱く語っても、絶対に当選することがないのも社会の事実。それらは世襲の現実や芸能人の当選を見れば一目瞭然。

  人は、誰でも自身が一番かわいくて大切なもの。それだけに、時には他人を悲しませることがある。気付かない内に他人の心に傷をつけているかも知れない。そ んな傷の痛さは人によって異なるもの。その人の立場になってということは簡単ではなく、絶対に当事者にしか理解できないことだろう。

 弊社が加盟する日本トータライフ協会のメンバー専用掲示板に、ある時、ハッとすることが書かれてあった。

  著名な人生相談専門家が、医師から不治の病である告知を受け、その日から自分を完全に見失い、気が付けば<今まで他人の苦悩に対して、的確なアドバイスを してきていたのは何だったのだ。こんな苦しみの人に、自分はどんなことを言ってきたのだ>と自責感に苛まれ、「真」は体験のうえにしか生まれないと悟られ たそう。

 葬儀の世界にも評論家みたいな人が増えている。喪主の体験もない人が葬儀を語るなんて滑稽なこと。

ある高僧に、次のようなことを教えられたことがある。

「名 刀は、誰が見ても名刀だが、それを誰よりも知っているのは創った人。熱い鉄を叩き、火を入れ、水に浸け、名刀にするだけの心を打ち込んでいる。そんな名刀 を手に出来る侍は、絶対に人を斬ることはない。名刀は『人』そのものであり、創る人が名刀でなければ完成しないし、名刀であることを理解できる人が帯刀す べきもの」

 そんな「火入れ」をされた名刀と称され、「口入れ」を得意としない政治家の登場は、いったい何時の時代になるのだろうか?
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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