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2004-03-30

指名手配?   NO 748

故人のお写真から創作するフォトビデオ、時代背景や季節に関する資料映像も大切なもの。女性スタッフの一人が時間を見つけては資料の「収集」しているが、その量や内容を確認したら「蒐集」の世界。これも弊社の貴重なソフト財産である。

 4分50秒バージョンに音楽とナレーションを吹き込んでプレゼントするが、先日、「これ、お願いしたいのですが」というお客様があった。

 過日の通夜と葬儀で放映したビデオ、「もっと写真の枚数を」とお持ちなったアルバム。ページを開けながらそれぞれの思い出話を拝聴し、「これは入れてね」と抜粋された写真が66枚。

 頭の中で計算をすると、つなぎの資料映像を出来るだけ割愛しても24分を要する長編となる。<これでは見られる人が疲れる>と瞬時に判断、ある提案を申し上げた。

 それは、葬儀の際に撮影した記録写真も挿入させること。それで故人の人生のエンディングが結ばれる。数分の話し合いの結果、全面的にお任せいただけることになり制作に入った。

 オープニングは故人が長年に亘り綴っておられた日記のページ。子供たちにいつも言い聞かせておられたお言葉をタイトルにした。

 進めていく中で、どうしても欲しい資料映像がないのに気付く。それは、故人が誕生された地の風景映像。あちこちに打診をしたら友人が貴重な映像を貸し出してくれた。

 それは、なんと8ミリフィルム。モノクロが当時の面影をイメージさせてくれる。

 映像が完成し、時間を計測したら21分。それに併せてナレーションの創作をしたが、いざ吹き込みにあたって音楽で悩むことに。

 その解決策はただひとつ、すべての曲をオリジナルCD「慈曲」から選曲すること。それだったら全曲の旋律とアレンジイメージを覚えている。

 そこで絵コンテをベースに秒数計算を進め、エンディングから逆算して各曲のスタート部分を決定した。

 吹込みするのは私の隠れ家、専門的なスタジオでない泣き所がある。「同録」する場合、後で行う編集作業に問題がある。音楽の差し替えを担当する女性スタッフと綿密な打ち合わせ、。秒数を書き込んだシナリオ通りに収録する。

 21分間の中でナレーションは17分40秒。<生>一発でNGなしと覚悟を決めスタート。

 11分目に入った頃、咽喉の調子がカラカラ。机の上に置いてあるお茶のボトルを手にする。<今だ>と2秒の「間」に合わせて呑み込み、そこからエンディングまで一気に進んだ。

 一回で成功したが、気になったのはお茶の部分。確認してみると声の調子の変化は感じるが、お茶補給のつなぎに抵抗ない。何か1日中ナレーターを担当したような思いがした。

 さて、大手出版社である鎌倉新書さんが恵贈くださった業界誌「仏事」が郵送されてきた。

 中に私の取材記事が6ページも掲載されている。指名手配みたいな私の写真と共に、CD「慈曲」のジャケットと、この「独り言」がプリントアウトされたものの写真もあった。

 鎌倉新書さん、取材、そして恵贈、誠に有り難うございました。
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