2004-04-05
滑らないように NO 754
50代を迎えると、極端に体力の衰えを感じ始める。足腰の痛みから整骨院に通ったり、目の疲れから眼科にお世話になる回数も増えてくる。
整骨院、眼科、薬局がすぐ近所にあり、自宅前にはお医者さん。血液検査や心電図の健康チェックをお願いしている。
最近、目の疲労が著しく、ちょっとしたことで躓いてしまい情けない。
一方で、先月の初め、久し振りにホームコースでラウンドをしたが、驚くほど飛距離がダウンしていることを実感して衝撃を受けた。
そんな中、数日前、ふとNHKテレビを見ていると、街や家の中で滑り転倒して亡くなる人が、一年間で2600人もおられることを知り驚いた。
材質の異なる床、そこに水や野菜があって足を滑らせるケースが非常に多く、それらは駅、ホテル、ビル、コンビニ、スーパーなど至る所に危険が秘められているというし、銭湯や旅館のお風呂でも心構えが必要だ。
高齢になって転倒すれば骨折のパーセンテージがアップし、その後遺症も長引くもの。併せて、道路上にあるマンホールでの2輪車の転倒も多いそう。
葬儀が終わってお柩が開けられ、お別れのひととき。そこでお花をお柩に納められることが多いが、ご遺族やご親戚の方が手にされた花を落とされるケースは日常茶飯事。それを拾い集めて誰にも踏まれないように司会台の片隅に置くのも私の仕事。
それは、花の命への哀れみという心情での行為からだったが、床の材質によっては滑らない対策にもつながっていたことを知った。
滑らない床材から滑る床材に変わる場所が最も危険だそうで、そこにワックスが残っていたり水がこぼれていたら、恐ろしい結果となる危険性があるので気をつけたい。
さて、火葬場からの帰路の車内。お寺さんが私のナレーションのことを持ち出された。
あちこちの葬儀で私のバージョンが流行しているそう。会葬者に混じって同業者さんが録音されていることは少なくないが、真似をされるならイントネーションや言葉の意味も学んで欲しいもの。
著作権はという話題もあったが、真似をするより真似をされる立場であり続けたいと思っているし、厳粛であるべきナレーションを「お笑い」だけにはして欲しくない。
過去に、どこかの葬儀で録音されたナレーションが海賊版として世に出回っていたが、取材から始まる原稿作り、そのプロセスを学んで欲しいと願っているし、私がパソコンで原稿を打ち上げる実際をご笑覧になれば、きっと話し方まで変化すると確信している。
世の中、今や何でもありの様相だが、葬儀の世界は礼節が第一。それだけはいつも不変であって欲しいとも思っている。
今日、脇導師をつとめられたお寺様、奈良県榛原から来臨されておられたが、過去に担当した大規模な社葬でお会いした方。「どこかで見た顔だ」から始まったやりとり、当時の思い出話が懐かしかった。