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2004-04-27

無常の嵐   NO 776

低気圧の影響で時折に強い雨が降っている。そんな中、設営現場から電話があった。

 「式場内は完成ですが、外側は夕方まで遅らせます」

 その報告は「風」がもたらしたもの。強風によるテント設営に危険性があるからだった。

 関西空港をつなぐ橋でトラックが横転したというニュースもあったし、和歌山県では36メートルという台風並の強風が吹き荒れたそう。

 葬儀の場での強風は何より恐ろしいもの。体育祭やイベントでテントが吹き飛ばされ、死傷者が出たというこれまでの事件は誰もが知っているが、通夜や葬儀でそんな事故が発生したらとんでもないこと。

 風という現象は、葬儀の場を騒がしくさせ、人の心の落ち着きを奪ってしまうもの。だから私が最も恐れているもの。

 大切な人の大切な儀式、そこでプロとしてプレゼントさせていただきたいと願うのは「静寂」の空間。それが自然の悪戯で壊される上に危険が伴うのだから最悪ではないか。

 夕方になって雨が治まってきた。暗くなってからお通夜の式場に向かう。

 私が担当するお客様は、享年で64歳。娘様のお腹の中に「初孫さん」が存在されており、弔問の皆さんの涙を誘う。

<せめて>という心情が誰にも生まれておられるだろうが、孫の存在に癒されている今、故人の無念さが一入強く感じることになった。

 そんなところで浮かんだ言葉は、ご当家の宗旨に登場するご導師の表白「無常の嵐は時を選ばず」ということだった。

 明日の葬儀の司会を担当するが、ナレーションは<女性スタッフに担当させるべきか>どうかで悩んでいる。男性と女性ではナレーション原稿を変えなければならないし、何よりナレーターの年齢によっても文章構成が変わる。

 今晩ゆっくりと考え、明日の朝に結論を出し、それから原稿変更に取り組もうと思っている。

 ここまで打ってメールを覗くと、弊社が加盟する日本トータライフ協会に関する要請が入っていた。

 加盟メンバーがHPを開設するそうで、推薦文を書かなければならない。

 これまでに8社の推薦文を書き、各社のHPに掲載されているが、9社目となる会社は協会の支局長。<何を書くべきか?>と真剣に考えよう。

 これまで書いた推薦文には「世辞」という社交儀礼は省いたつもり。それぞれの社長の人柄が素晴らしいから推薦できるもの。協会とは、そんなメンバーの集まりというところが誇りである。
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