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2004-05-28

神戸の「語り部」   NO 805

昨日、神戸の「株式会社 公詢社」吉田社長が来社くださった。

 日本トータライフ協会の顧問も同席し、私の「隠れ家」で、社長の葬儀に対する真剣で熱い思いを拝聴した。

 「大阪に来る前、ちょっと思いを書いてきた」と、おっしゃった言葉が気になり、今日、彼が発信されるコラム「あるがまま」を見てびっくり。私の顔写真が掲載されたページに「変なおじさん」ですとの表記がある。

 彼は「葬祭ディレクター試験」に対する疑問を訴えておられたが、誤解が生じるかもしれないので、ここで、その真意としてフォローをさせていただく。

 ディレクターとは、「演出家」「支配人」との意味があるが、葬儀に「見せ掛け」だけの演出のレベルでは情けない。

生き抜かれた生涯を徹底取材し、家族の思いを受け止め「宗教とは?」「命とは?」を真剣に学び、悲嘆の心理までを研鑽し、自身が哲学者の一員という誇りを抱いて統括的に総合プロデュースするのが葬祭業の仕事だというのが彼のプロ哲学。

 葬儀に関する基本的な知識と並行して、テーブルのクロスを何分で張るか、初歩的な司会が出来れば2級というようなレベルで試験制度を設定することに抵抗感がある。我々は、ディレクターなんてレベルは遠い昔に通り過ぎた世界だというのを伝えたかったのだ。

 弊社の社員もそうだし、当協会のメンバー企業各社に1級ディレクターや2級ディレクターが大勢存在するが、誰もそれを売り物にする姿勢はない。

メンバー研修会で研鑽される世界は、一級ディレクターレベルで理解不可能な高度なもの。日本トータライフ協会は、そんなところまで進んでいる。

 彼は、そんなことを弊社の社員に伝えたく、わざわざ大阪までやって来られたわけである。

 これまでに、彼の担当された葬儀の映像を何度か拝見した。また、秒刻みで制作されたシナリオに目を通したこともあるが、細部に亘って彼の人柄を感じる構成が感じられた。

 失礼な表現で恐縮だが、一見豪快な風貌に繊細な感性を秘められた人物。弊社の社員達が抱く高い人望観が物語っているが、「葬儀って、何だろう?」と話し合った際、涙を浮かべられて熱く語られたことも印象に残っている。

 研修会で拝聴した阪神大震災の体験話、そこでメンバー全員が感動の涙を流したのは一昨年だったが、犠牲者の中の2000人以上を担当され、本社を安置所として開放され、多くの宗教者のご協力をいただき、供養をされた行動は表彰されて然るべき事実。

 日本トータライフ協会のメンバーの中で「悲しみの語り部」として称される彼、メンバー達との交流でいよいよ情熱の温度が上昇してきたよう。

 そんな熱く燃える彼にとって、やっぱり私は「変なおじさん」のよう。

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