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2004-07-16

参りました  NO 852

 朝から私を指名された事前相談があった。

身寄りの全くない方が危篤になり、近所のお友達という方が3人で来られ、先に相談に行かれた役所の冷たさを嘆いておられた。

 この方々のお心が温かい。納骨までの責任も果たしたいとおっしゃられ、5人ぐらいで通夜と葬儀を進められるとのこと。お布施の問題もあるところから、僧籍のある弊社のスタッフが読経を担当することを提案申し上げた。

 お客様が帰られた後、「その時は導師を頼むよ」とスタッフに伝えると、「休日の時でも出勤しますから呼んでください」と協力を約束してくれた。

 もちろん「お布施」はなしだが、彼も私も「功徳」と「供養」の言葉が大好き。そんな彼の姿勢を心から嬉しく感じている。

 この世に身寄りがないということは、どんなに寂しいことなんのだろうか。病床で天井に思い浮かぶ郷愁と去就は、どんな光景なのだろうか。人生とは、家族とは、ふとそんなことを考えさせられる時間となった。

 明日は町の公園で夏祭りに因んだ子供のイベントが開かれる。金魚すくいや模擬店を町の方々が企画され、もう10数年続いている。

  弊社は、毎年、テント設備を8張り提供しているが、こんな夜の賑やかさは都会では珍しい光景。初めて開催された頃に参加していた子供も、もう成人している 筈。そんな体験をした人が自分の子供を連れて参加するようになれば素晴らしいこと。世の中にそんなことが少なくなってきていることは寂しいことだ。

 葬儀社とは「何でも屋」みたいなところもある。しかし「便利屋」であることは間違いない。仕入先も様々な世界があり交友関係も広いもの。いざという時には役立つ存在。結構頼りにされているのかも?

 しかし、困ったこともある。何でも「社長に頼もう」という傾向が強く、すべての電話が「社長は?」から始まるので大変。勧誘や証券会社などからの単なる営業電話と混乱するからややこしい。

 今日、弊社の幹部がある宗派の本山に招かれている。過去に私が講演の講師を担当したこともあり、意外なご依頼を頂戴して参上しているのだが、そこは夏祭りで有名な場所。「車で行くな」と伝えるのを忘れ<しまった>と思っている。

 そうそう、今日の結びに「結び」の話をちょっとだけ。配達された郵パック、中を開けてスタッフ達が感嘆の声。プレゼント全体に素晴らしいプロデュースが感じられる。その一つが洒落た包装を結んだ水引。その心が「涼」というコンセプトで結ばれていた。

 「さすが! 参りました」が私の偽ざる感想。ただ手を合わせる情けない自分に気付いた出来事でもあった。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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