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2004-10-18

命って?  NO 946


 ある一本の電話から、これまで全く知らなかった病気があることを知った。

 それは、昨日のチラシからつながった「えにし」によってだが、若い2人の女性が来社。1時間ほどお話を伺った。

 病気はSMA(骨髄性筋萎縮症)と呼ばれるそうだが、ほとんど一般的に知られていないようで、難病指定されるべき病気なのに治療薬の開発も至っておらず、特に我が日本では患者さんのご家族の悩みが深いと聞いた。

  脊髄の運動神経細胞の病変によって起きる不治の難病。「この病気を知って欲しい」という行動から、そんな活動を組織化されたNPO法人の理事さん。その中 心となっているのは国際文化交流を目的とされる人達で、アメリカ、オーストラリア、ネパールの仲間達が集まっているそうだ。

 一枚の女の赤ちゃんの写真があった。生後3ヶ月で病気が発覚、現在9ヶ月で小さな命が病魔と闘っている。

 通常の医学書によると、急性乳児型の場合の発症は生後6ヶ月までに出るとのこと。人工呼吸器を使用しなければ2歳まで生きることが難しいそう。

 辛くて難儀な病気、抱いてあげることさえ出来ない症状。この赤ちゃん、「Ⅰ型」から「Ⅲ型」まで分類される重症度の中、最も重度の「Ⅰ型」だった。

 来月の21日にチャリティ・コンサートを開催されるそうだが、その活動を熱く語る彼女にも辛い体験があり、そこで育まれた「やさしさ」があふれていた。

 『(病室で)彼女のキラキラ輝いた目を見たとき、生きることに命を懸けて一生懸命に生きる。そんな大きな強い力を感じます』 そんな一文を書いていた彼女。

 弊社のホールは、先月に行ったスタッフ会議で「障害者の方々が授産所で創作されたものの発表の場も」という提案もあり、こんな社会啓蒙への協力も大切なこと。私に出来ることならと、まずはこの「独り言」で病気の存在をお知らせ申し上げることに。

 弊社が所属する日本トータライフ協会だが、そこで重視される理念が「愛・癒し・慰め」であり、その活動精神とも一致する。何かのイベントで協力したいと考えている。

 19歳の時、名神高速道路で事故を起こし、奇跡的助かった私。それからは「生かされている」と思って今日まで来た。感じ始めた人生黄昏だが、このコラム「独り言」の他に生きた「証」を残したい気持ちにもなっている。

 「残した」が「遺した」となるまでに、何が出来るかを真剣に考えてみたい。今、そんな心境の変化が生まれている。

 過日、友人に聞いた「お前の本がネットオークションに」という言葉で目覚めたこともあるが、死と時間は誰にも平等に訪れる。

年、月、日、時、分、秒と、徐々に人生終焉までの単位が変わる。そこで心残りのない人生でありたいもの。

 人生のカーテンコール。「見事に生き抜かれた彼の人、その生き方、生き様、死に様に対して盛大な拍手を。そして、遺された家族に励ましの拍手を!」

 葬儀のプロなら、そんな葬儀で送られたいではないか。

 明日は葬儀を終えてから出張する。スタッフ2人を伴う予定だが、発信はきっと遅くなり、ホテルの部屋からとなるだろう。
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