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2004-10-02

懐かしい痛み  NO 930


 会社を経営する立場で自身の健康状態をオープンにするのはご法度だが、訪問者の皆様へ病気の知識をプレゼント申し上げる。

 我々葬祭業に携わる者の多くが「潰瘍」を持病として抱いている。私も例に違わず十二指腸を患っていた。

 過去形で表記したのは随分昔のことだから。30歳ぐらいの頃から腹部に痛みを感じ出し、いつも薬局で市販されている薬を服用していた。

 お通夜の場で耐えられず、車のシートを倒して横になり苦しんだことが何度もあった。

 35歳の時、どうにも我慢出来なくてお医者さんに。そこで初めて胃カメラを体験。その痛さが典型的な十二指腸潰瘍と診断された。

 「あるわ、あったよ!」という先生のお言葉。胃の中は問題なかったのに、モニターを見るように言われると同時に数人のインターンを呼ばれ、「これが典型的なケースだ」と解説された。

 赤い内壁に1センチ程度の白い線、その太さは爪楊枝程度。それが今の痛みの原因だと教えられたが、古傷が10本ぐらい残っており「泣かされてきたみたいだな」とおっしゃった。

 そこから薬による治療となったのだが、潰瘍には優れた薬が存在し「今日から痛みは消える」と断言されたことは事実。朝の診断後、昼から嘘のように痛みがなくなった。

 数ヶ月続けた薬が変わり、「これから毎日一錠でいいよ」とご指導を受け、それから現在まで22年間服用してきたが、お陰でそれから1回も痛みを感じたことがなかった。

 それが今日、夕方頃からおかしな兆候? <あれ?>と思いながら夜を迎えると懐かしい痛みに気付くことに。どうやら潰瘍が行動を始めたよう。

 今は腹部だけで感じているが、痛みを背中に感じ出したら重症だ。<お医者さんに>と思ったら、明日は日曜日。月曜日の仕事も持っているが、何より早期治療が大切。ちょっとスタッフに無理を言って診察に行こうと考えている。

 潰瘍の痛さは半端じゃない。それは体験した人にしか理解できない苦痛。鈍痛もあるし針で刺されるような激痛にも襲われる。そんな症状を感じられたら潰瘍を疑い、すぐにお医者さんに走るべき。

 22年前より、もっと素晴らしい薬が出現していることを期待し、そんなところで早く就寝することに。おやすみなさい。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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