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2005-01-03

ご訃報から  NO 1025


 午後に協会のメンバーから訃報の電話が。お父様が年末にご逝去されたとのこと。正月という事情からメンバーには通知をされていなかった。

 葬儀社で身内の不幸が発生すると大変である。お客様の葬儀を優先しなければならないことはもちろんだし、「身内で不幸がありまして」というお断りさえ出来ない立場になってしまうから。

 私は20代で父を亡くし、喪主をつとめた体験がある。それが葬儀社としての貴重な体験になったのだが、承っていたお客様の葬儀に走り回っていた思い出がある。

 4日越しのスケジュールで進めた父の葬儀だが、お寺様への対応が大変だったのをはっきりと記憶している。

 次々に弔問くださる各宗派のお寺様、単なる弔問や会葬ではなく衣装を着替えられておつとめくださる。そのご人数が数十人。親戚の人達が「有り難いことだ」と驚いていたが、お布施が大変だったのも裏話。 

 私は本家筋の長男の立場、それだけに責務が重かった。小学校と幼稚園に通う子供の存在、そんな関係の会葬者も多く、今では考えられない人数の方々の参列をいただき、悲しみよりも疲れに襲われた体験だった。

 あの頃の葬儀は、まるで「お祭り」騒ぎ。近所の方々の善意のお手伝いが整理できないほど集まってくださる。今では受付の方をどうするかで困っている時代の変化。日本の葬儀はこの十数年で全く変わってきている。

 新興住宅地での葬儀、ご当家が「お寺様の控え室を」とご近所にお願いしたら、「プライベートですから」と断られたこともあったし、香典を辞退するケースが増え、お金を扱わないところから受付までスタッフに任されることも多くなってきた。

 弊社が加盟する日本トータライフ協会のメンバーでは、私が最年長。そんなところからいつもエラそうなことを言ってきたが、「喪主を努めて一人前の葬儀社、孫を持って初めて葬儀が分かる。それまで謙虚に」ということだけは間違っていないと確信している。

 お正月のご葬儀、密葬という形式で進められ、後日に本葬儀というケースも考えられる。そんなスケジュールを予定されているなら、メンバー達でプロらしい葬送の儀式をお手伝いさせていただかなければ。

 弊社と近くて交友関係の深い会社、私やスタッフのお手伝いは当然。明日、スタッフ会議を行う予定を進めている。

 一年ほど前から闘病されておられたそうだが、社長のお電話で「5時46分でした」とご逝去の時間を伺った時、<人の世には不思議なことがある>と驚愕した。

 阪神淡路大震災からこの17日で10年目、その発生した時間と同時刻だった。
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