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2005-02-21

葬儀社の制服   NO 1074


 事務所内で朝礼が行われている。早急に書き上げなければならない資料を「隠れ家」で打ち込んでいた私だが、朝礼が終わった頃「キャー」という喚声が聞こえてきて驚いた。

 <何だ?>と思って立ち上がった時、その原因となったものを手に女性スタッフが「隠れ家」にやって来た。

 厚めのボール紙に貼り付け添付されていたもの、それは確かに「キャー」という代物だった。

 朝に郵送されてきた大きな封筒の中身、大手制服会社が制作中の葬儀制服パンフのゲラ。モデルを担当した弊社の2人の女性スタッフが登場していた。

 スタジオで撮影された際に居たのは2人と私だけ、他の社員がその時の情景を想像出来たのは当日に書いた「独り言」程度。今日、ここに、そのリアルな世界を初めて目にすることになったのである。

 「嘘っ?」「ヒャー」という感嘆と衝撃の言葉が飛び交う。目にしたパンフはまさに異世界。2人の信じられないような変身振りが強烈だ。

  メーク、照明、カメラなど、それぞれのプロの手による集大成、そこに取材を担当くださったコピーライターさんの筆力も光る。印刷も誰もが知られる大日本印 刷さん。これでおかしな出来映えとなる筈はないが、ここまで2人を別人に仕上げてくださったご苦労が大変だったろうと拝察する。

 選ばれたことは名誉なこと。来月から全国の葬儀社さんに出回るだろうが、「それに恥じない存在になれ」と命じて葬儀に出掛けたら、担当スタッフの1人がその制服を身に着けている。

  「いかがですか?」と言われて見たら格好いい。襟から覗くスカーフがオシャレな感じ。会葬者の中に居た知人の声も「いいね」とのこと。「スカートの長さが 適当でいいじゃない」という女性の意見もあった。スタジオで撮影していた時に感じなかったことが、葬儀という場ではっきりと感じられた。正直言って素晴ら しい制服だ。しかし、制服に負けない中身が大切。「しっかりしろ」と檄を飛ばしたのはもちろんだった。

 さて、葬儀だが、現代的な和風イメージの花祭壇、そこに飾られたご遺影の評判がすこぶる高かった。元のお写真はお孫さんを抱かれたものだが、その影響で着用されたお着物の前が被さってしまっているし、ヘアースタイルの上の部分が見えなかった状態。

 そんな写真が見事に変わった。着物の柄、ヘアースタイルも想像の世界で創作されてピッタリに。これもパソコン技術の賜と感謝する。

 ご家族から託されたメッセージが10通ぐらいあった。それを代読したのは新しい制服を着用したスタッフだが、不思議なことに、いつもより気合いと心が入っていたような気がした。

 「制服は『人』を変える」という言葉があるが、こんな「かたち」に変わってくれるなら大歓迎。広島の元気企業である葬儀制服リミットさんの「リフィン」のブランド、間違いなくヒットするだろうと確信する。

  帰宅しようと事務所スタッフに声を掛けたら、企画室長から報告があった。大阪市内のある葬儀社さんが社葬を受注され、追憶ビデオの創作協力の依頼があった そう。90インチの特殊モニターの存在を弊社のホテル葬で知られたとのこと。「協力してあげなさい」と伝えて銭湯に向かった。
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