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2005-05-26

普通って?  NO 1168


「ご近所だから」「皆さんが行かれるから」「町の役員をしているから」

 そんな関係で弔問や会葬に来られる人が少なくないのも事実。所謂「義理的参列者」と呼ばれる存在なのだが、黒い服に着替えられ、時間を費やして葬送の席に座られることも「ご仏縁」であり、故人は間違いなく感謝をされておられると断言する。

 また、遺族の関係からの参列で故人を全く知らないということもあるだろうが、他人の死によって自身が生きていることを実感し、自身にもやがてこの日が訪れることを知るきっかけになることは有意義なこと。

そして、悲しんでいる遺族の姿を目にされ非日常的な感情が生まれることもプラスになるし、その上に「供養」から「功徳」を頂戴することになれば有り難いことである。

 今日の葬儀、そんなことを考える体験があったので報告を。

「私、故人を全く知らなかったの。でも、参列してよかったと感謝しています。私に大切なことを教えてくださったからです」

 故人より少し若い方だったが、遺族が悲しまれる光景を目にされ、ご自分のご家族に置き換えて眺めてみたら見えてきたと語られ、続いて何より嬉しいお言葉も頂戴した。

「故人に感謝しています。こんな葬儀があるなんて初めて体験できたから。180度、考え方を変えました。高級葬儀という社名に驚いたけど、凄いね。不思議なお葬式。スタッフのみなさんがやさしい雰囲気ね。素晴らしい」

 文言すべてが弊社の宣伝みたいな内容だが、今日はお孫さんの存在がなく「命の伝達式」を行わず、それに変わる全員参加型の形式に感動くださったようだ。

 火葬場へ向かう車中、親戚の方から通夜でナレーターをつとめたフレーズが印象に残ったと伺い嬉しく思っていると、突然「霊魂を信じていますか?」とご質問が。そこで「霊魂有る無いを問わず」とお考えの宗派もあるがと「お断り」をしてから次のようにお返し申し上げた。

「あの世の存在を信じて葬儀に携わっています。あの世で『お葬式で世話になって有り難う』と感謝される葬儀社になれと社員に教えています」

 あの世を信じないと葬儀の意義がおかしくなる。「葬」と「儀」の文字、また「式」と「会」の異なりを意識してこそプロの葬儀社。何のために祭壇を飾るか?何のために宗教者を迎えているか? そんなことを考えずしてマイクを担当するなというのが私の信念。

 今日の葬儀でも数人の方から「あなた達、普通ではない」というお言葉があった。それは弊社にとって歓迎すべきで喜ばしいことなのかもしれないが、裏を返せば「普通」の葬儀社が大半ということにもなるだろう。

  弊社が加盟する日本トータライフ協会のメンバー達は、普通の葬儀社とは全く異なるレベルに至っている。今日も北海道のメンバーから電話があり、難しいサー ビス発想の具現化に協力した。普通の業者なら絶対に対応しないことを何とかしたいと行動してくる。それを「かたち」として式場空間に活用したいというメン バーの熱い思いが伝わってくる。

それは間違いなく故人と遺族が喜ばれること。そして、その空間にご一緒された方々は、故人と遺族に対して 「よかったね」という心情が生まれるだろう。それこそ「不幸の中で、不幸でないひとときをプレゼント」という大切な心のサービス。それに伴う費用を惜しま ないメンバーだからこそ実践されるのかもしれない。 

 そうそう、掲示板やブログを訪問すると、塾生達が「命の伝達式」に真剣に取り組んでいるよう。そこで6月の久世塾は、全員が驚嘆する世界を体験させることにした。それは、きっと生涯の思い出となるだろう。当日まで公表しないが楽しみに。
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