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2005-07-05

こだわりの世界?  NO 1201


 大きなお寺の本堂で行われた葬儀、故人は95歳の女性の方。喪主をつとめられた方は、ある有名な大学の名誉教授だった。

 静かな式場なのでいつもより音量を下げてマイクを握ったが、やはり声に張りがなく、身体全体のバランスがまだまだ復調していない感じを覚えることに。

 開式前に参上したお寺様との打ち合わせ、「大丈夫ですか?」とご心配のお言葉を頂戴した後、小箱に入ったプレゼントをくださった。

 ブラジル特産のプロポリスの原液、ご住職は10年も前から飲用されておられるそうで、「咽喉の調子を整えるには最高」とご体験話を拝聴した。

 葬儀が終わって火葬場に向かう車中の会話、「思っていたイメージの祭壇でよかった。有り難う」と喪主さんのお言葉。「上品」「センスが良い」なんて嬉しいご意見もあって何よりだった。

 会社に戻って事務所に入ると音楽が耳に入ってきた。見ると例のスピーカーが接続されており、ピアノバージョンのクラシックが流されていた。

 椅子に腰掛け、しばらく耳を済ませて音を確かめてみる。高音、中音、低音とバランスよくセッティングされており、誰の耳にも抵抗なく聞こえるだろうという分析に。

癒し、リラックスに音楽は重要な役割を果たすが、耳障りな音域の割愛こそが何より大切。その組み合わせひとつで心地良さを与えてくれると言えるだろう。

 この独り言をご訪問くださった方から「どこのメーカー?」というご質問メールをいただいたのでお答え申し上げたが、奈良県生駒市にある株式会社タイムドメインさんの製品。

大型円筒形スピーカー「Yoshii9」で世界的に注目を浴びる会社だが、今、弊社の机の上にセッティングされているのはかわいい「mini」というタイプ。小さくとも高質な音が聞けるので驚きである。

 設計製造に関するHP、そこで表記されていたキャッチコピーが面白い。「奇跡の連鎖で誕生した円筒形スピーカー」「パリのオペラ座の特等席に運んでくれる円筒形スピーカー」とある。

 この会社の社長は音響マニアでもある技術者さん。本物の音を求めて世界中のコンサート会場に足を運ばれているそう。

 弊社が加盟する協会のメンバー達は音響に対する「こだわり」が強いが、式場の床、壁の材質から天井の高さを計算し、反響チェックを行い、次に音を吸収する椅子の材質まで考慮しなければ高質な空間が完成することはない。

 また、お客様の人数によっても確実に音響変化が生じるもの。病的なまでこだわるなら、冬物、夏物の服装の違いでも異なってくる。そんなことを書いたら「変な葬儀社?」と思われるだろうが、プロとは「何でも」「いつまでも」追究していくものなのである。
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