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2005-10-03

そろそろ準備に  NO 1290


 今週後半のスケジュールが大変、出張がありホテルでのブライダルの打ち合わせもあるが、週間天気予報では雨ばかりのようで難儀なこと。

 本格的というよりも「本物」の仏前結婚式と披露宴、その司会の責務の重さが圧し掛かる。

 振り返ってみれば多くの披露宴に出席した体験がある。最も短時間だったのが2時間10分、<これは参った!>と疲れたのは4時間20分というケース。まるで学芸会みたいな状態で同席の人達もブーイングを出していた。

 東京で行われた披露宴の司会に行ったこともある。過去にも書いたが、前日の集中豪雨で新幹線が不通のニュース、そこで夜中から車で東名高速を走行したことも懐かしい。

 私が披露宴の司会をさせていただくのは宗教者関係のケースのみ。その他は特別な友人だけに限ってきた。

 葬儀に携わる立場が祝宴の司会を担当するとは不思議だろう。「縁起でもない」と思う方も間違いなく存在する筈。しかし、中には「何よりめでたい人選だ」と喜ばれた人もある。

 昔、婚礼の行列や花嫁さんを乗せた車が、葬儀の式場や霊柩車に出くわすことを大歓迎された考えもある。「これで死ぬまで嫁ぎ先の人になる」なんて解釈をしたようだが、離婚の多い今の時代にこそそんな考えが大切かも。

 葬儀、婚礼は「孝」の世界、そこに「愛」と「命」が欠かせない。とすれば私が担当するのもキャスティングとしては奇異ではないだろう。

 披露宴に招かれてのスピーチ、そこで上述の文字をキーワードに語ってきたが、賛同、歓迎の感想以外に抵抗というものは一切なかったし、「ギャラを出すから娘の披露宴のスピーチに来て」と、初対面の親戚の方から頼まれて往生した出来事もあった。

 皆さんに手渡される出席者名簿、そこでの肩書きに気を遣うのは現実。「葬儀社!?」と驚かれることもあるだろう。「新婦の父の友人」などと関係表記があれば和らぐが、社名だけでは物議の対象になるかも。

  ある幼馴染の女性の披露宴、出席者は誰もがその関係をご存じで、安心して出席したらハプニングが。主賓が有名な高僧で京都から来られるのだが、開宴の時間 を10分過ぎても到着されない。結果として1時間遅れでご来臨されたのだが、当時は携帯電話なんてない時代、名神高速道路で事故渋滞に巻き込まれている情 報を知ることは不可能だった。

 やがて開宴時間を15分過ぎた。時間稼ぎのコメントを連発されていた司会者さんも限界のよう。そこで関係者が討議されて始めることに。私に主賓代行の祝辞を命じられ、予定していたスピーチを白紙に戻して対応した。

 考えたことは宗教的なことに触れないこと。遅れて到着された高僧とテーマが重なれば大変なこと。そこで「人生はハプニング」というテーマでユーモア中心に進めたら拍手喝采を頂戴し、未だに語り草になっている。

 人生とは、次々に試練という名の波が押し寄せてくるもの。流されるのも乗り越えるのも自由だが、沈んでいくことだけはしたくないもの。せめてカモメのようにプカプカと。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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